コロナ病床を用いた補助金詐欺問題: 都内医療機関で利用率40%未満が27施設、0%が7施設も調査で発覚

  過去記事で取り上げた『都内で幽霊病床問題』に対し、日本テレビが「病床利用率のデータを入手した」と報じています。それによりますと「使用率40%未満が27施設、0%が7施設」である実態が明るみに出ました。

f:id:sqboe:20210907174901j:plain:w600

  上記の数値は新型コロナ患者をすぐに受け入れられる『即応病床』の稼働率であり、それに応じた補助金が支払われています。医療機関による「ネコババ」は論外ですし、詐欺事案として責任者を訴追しなければならないことでしょう。


日本テレビが報じたニュース

  日本テレビが報じた内容は以下のものです。

  まず、『即応病床』は「新型コロナ患者の受け入れ要請に対して即座に応じることが可能な病床」です。したがって、病床が空いているのであれば「受け入れ拒否」はあり得ません。

  「調整をすれば新型コロナ患者の受け入れは可能だが他の疾病用に空けた状態で確保している病床」は『確保病床』との名称で『即応病床』とは異なる扱いだからです。

  したがって、『即応病床』の稼働率が 40% 未満ならば「コロナ病床を用いた補助金詐欺」と指摘せざるを得ません。稼働率 0% の7施設は詐欺として刑事訴追をすることが不可避と言えるでしょう。


東京都の『即応病床』と『新型コロナ入院患者数』の推移

  東京都が確保した『即応病床』と『新型コロナによる都内の入院患者数』の推移は以下のとおりです。

  東京都は7月21日以降は『即応病床』を5967床確保していることは厚労省の発表資料から確認が可能です。

  その一方、東京都で新型コロナの入院患者数が4000人弱になった8月下旬から「医療逼迫で患者を受け入れられない」との主張が医療業界から噴出。『病床数』と『入院患者数』の間に齟齬が生じる事態となりました。

  医療機関には『即応病床などを準備した分に応じた補助金』が出されています。

  田村厚労省が実態調査を表明した後に 「増えることは不可能だったはずの入院患者数が増加」しているのですから、補助金詐欺に手を染めていた医療機関が相当数あると言わざるを得ないでしょう。


「人材やマンパワーが不足しているからコロナ病床は容易に増やせない」は言い訳になりつつある

  「新型コロナの即応病床は対応可能な人材の不足で容易には増やせない」と主張する声もありますが、それは単なる言い訳と見なされる傾向が強まることでしょう。なぜなら、大木隆生氏が「着想から3週間でコロナ専門病院にモデルチェンジができた」と実例を紹介しているからです。

  『大木氏にはできたこと』が尾身茂氏にできないはずはありません

  尾身氏が理事長を務める地域医療機能推進機構(JCHO)は「コロナ病床の空きが 30〜50% で補助金をネコババしてる」と報じられた際に「全国の病院に看護師を応援に出したので止むを得ない」との弁明をしていましたが、それは免罪の理由にはなりません。

  今年2月に「JCHOでの患者受け入れが少ないとの指摘がある」と記者に問われた尾身氏は「独立行政法人だから当然汗をかく」と反論していますが、補助金詐欺で私腹を肥やすために奔走するなどあり得ないことだからです。



  新型コロナ患者に即時応対するための『即応病床』を使って補助金をネコババした医療機関は補助金詐欺で訴追すべきでしょう。「国民の健康」のために投じられた補助金を横取りした医療関係者に配慮する必要はないはずです。不正には厳しい姿勢で臨む必要があるのではないでしょうか。