『医療のサボりは見逃して民間への罰則強化をするコロナ新対策』を管轄する感染症危機管理庁が発足

  政府の新たな新型コロナ対策が正式に決定し、『感染症危機管理庁』が発足することになったと朝日新聞が報じています。

  この方針は医療業界の焼け太りを加速させるだけで期待した効果を得ることはないでしょう。尾身氏ら専門家が提言した対策の費用対効果を検証することなく、「対策は正しかった」との前提で『省庁の発足』および『法律の整備』を行うからです。

  納税者にとって有害無益の結果になるのは火を見るよりも明らかでしょう。


“一元的に感染症対策” を行うための司令塔となる『感染症危機管理庁』が正式に発足

  内閣感染症危機管理庁は以下の組織図になる予定と朝日新聞が伝えています。

  首相が直轄して “一元的” に感染症対策を行うことを目的にしていると首相官邸が公言しており、これだと弊害の方が大きくなるでしょう。

  理由は「政府が求めたコロナ対策が正しい」との裏付けが得られるには年単位の時間が必要になるからです。したがって、新型コロナのウイルス性質が未解明の間は奈良県知事が言うように複数の選択肢がある方が生存確率が期待できると思われます。

  今後は感染症危機管理庁が『一元的な対策』を(トップダウンで)求めるようになると予想されます。

  新型コロナでは「徹底した接触削減で感染拡大の制御は可能」という間違った前提に基づく対策を政府が求めたのです。それを正当化する形での新省庁発足は弊害をもたらす結果になると言わざるを得ません。


「病床確保協定を守らない病院への罰則導入は慎重に検討」と公言した後藤厚労相

  新型コロナ対策では医療業界から「医療逼迫が起きる恐れがある」と大騒ぎし、補助金の増額や不要不急の自粛要請を要求しました。しかし、医療機関は病床増加には消極的でした。

  “補助金を食い逃げする医療機関” を減らすために『病床協定』が締結され、医療機関には補助金が拠出されます。その一方で『病床協定』を破ったことへの罰則は慎重に検討すると後藤厚労相が発言しています。

  この方針は批判されなければなりません。コロナ対応をしたかに関係なく医療機関は公立でも民間でも収益が改善して黒字だったことが財務省の資料(PDF)で示されているからです。

  政府の現行方針は「盗人に追い銭」です。補助金で焼け太りを起こした医療業界の焼け太りを加速させる政策は論外との批判を受けるべきでしょう。


「政府の感染対策に従わない個人や事業者への罰則強化」を求める自民党

  しかも自民党は「感染リスクの高い行動を取る個人や事業者への罰則強化」を検討するよう求めていると時事通信が報じています。

  新型コロナ対策の教訓として、「十分な対策を講じずにイベントや感染リスクの高い行動が行われる事例が一部で見られた」などと分析。感染対策の徹底を図るため、罰則を含めて事業者などへの対応強化を検討するよう求めた。

  自民党の提言は “経済破壊担当大臣” と揶揄された西村康稔氏が感染症対策本部の本部長としてまとめたものです。尾身氏の指導が細部にまで行き渡った医療業界が大歓迎する提言と評することができるでしょう。

  政府や専門家が「感染リスクが高い」と言えば、科学的根拠が乏しくても司法は「感染リスクは高い」と判断したことはグローバルダイニングの訴訟で明らかになりました。

  それに厚労省は “新型コロナ感染者数に不適切なデータ処理を施したワクチン接種効果” を基にワクチン接種を促していたのです。

  虚偽データでワクチン接種を国民に(罰則を散らつかせて)強要し、不都合がデータが露呈すると「あの頃は仕方なかった」などと責任転嫁を図ることは容易に想像できます。現役世代や子供たちなど次世代のためになる政策ではないことは明らかでしょう。



  “今の高齢者” が現役世代や子供たちを犠牲にして逃げ切るためには岸田政権の方針は合理的です。ただ、日本円の価値を毀損することで生じた『物価高』や『円安』は政策転換をしない限り歯止めはかかりません。

  “今の現役世代” が生み出す富(≒民間給与総額)では高齢者向けの社会保障費を賄えないから将来世代の名義で赤字国債を発行し続けているのです。良い思いをして来た高齢者と医療業界が報復を受けるのはこれからが本番と言えるでしょう。