半数が幽霊病床だったにも関わらず、「病床に余裕があると見えたことで社会活動の抑制を躊躇させた」と開き直る政府分科会

 11月16日に行われた第11回・新型コロナウイルス感染症対策分科会で新型コロナ第5波での医療体制が検証され、「コロナ病床の使用は半数に留まった」と共同通信などが報じています。

 この水準では医療崩壊が起きるはずはありませんし、即応病床を架空計上したことは補助金詐欺に該当します。罰則が適用されていない時点で論外と言わざるを得ないでしょう。

 また、分科会は「稼働率100%は無理」と弁明していますが、だったら『現実的な目標値』と定めた数値まで補助金の支給割合の減額を申し出るべきです。その提案はされていないのですから今後も補助金詐欺に手を染め続けることになるでしょう。

 

マスコミが報じた記事の元ネタ

 共同通信などが報じたニュースの元ネタは11月16日に行われた第11回・新型コロナウイルス感染症対策分科会で用いられた参考資料(PDF)です。

第5波までの医療対応に関する検証
  • 確保病床数に対する病床利用率は50~60%程度
    • 実行性のある確保病床数でなかった
  • 患者ケアのキャパシティよりも病床をなるべく多く確保することを、最大限優先せざるをえなかった
  • 広域での入院調整が行われない地域があった
  • 確保病床数と実際の入院患者数との乖離が、社会経済活動の抑制を躊躇させ、経済活動のアクセルを踏み続ける判断根拠になってしまった

 補助金の不正受給をしている状況であるにも関わらず、そのことを棚に上げた「医療業界の身勝手な言い訳が列挙された内容」と言わざるを得ないでしょう。そのぐらい雑な弁明が展開されているのです。

 

「補助金詐欺には目を瞑り、医療逼迫の声を尊重して経済活動を止めろ」と主張する医療業界

 政府分科会の主張がデタラメなのは「病床に余裕があると見えたことが社会経済活動の抑制を躊躇させた」と問題を転嫁しようとしていることです。

 医療機関は『確保病床の申告数』に応じた補助金を受給しているのです。実際の確保数が半分だったために稼働率が 50% 程度で医療逼迫が起きたとしても、それは医療機関側の責任です。

 即応病床として補助金が拠出されているのですから、世間は「それだけの病床を確保するための負担をしている」のです。

 「経済活動を抑制しろ」と要求するなら、経済活動の抑制で生じた弊害を医療業界が『医療費の削減』で負担すべきです。そもそも『幽霊病床』が存在していることが問題なのであり、その可視化に尽力することが分科会の責務と言えるでしょう。

 

「稼働率は 80% が限界」なら「コロナ補助金も 80% を上限」とすべき

 また、この参考資料の執筆者である阿南英明氏は「病床利用率は 80% 程度が運用の限界」と主張していますが、それならコロナ病床への補助金も 80% を上限にしなければなりません。

 なぜなら、補助金は「申請した病床数の 100%」を受け取るが「実際の運用は理想的なシナリオでも 80% が限界」では『幽霊病床』が存在したままとなるからです。

 しかし、共同執筆者に名を連ねる尾身茂氏や(日本医師会の)釜萢敏氏が「申請数に応じて 100% 支払われる補助金」が抱える問題点の指摘はしていません。彼らは『幽霊病床』を悪用して私腹を肥やす立場ですから、「現状維持」を提言することでしょう。

 それに新型コロナウイルスが “100年に1度のパンデミック” であるなら、「新型コロナ対応を最優先で行なっても病床数が足りなくなるため『トリアージ』の基準を決める必要がある」と専門家が提言しているはずです。

 現実には『トリアージの基準』を決めるどころか『幽霊病床』を使った金儲けに奔走しているのですから、実態は「その程度のウイルス」と見なすべきでしょう。

 

 後世から新型コロナ騒動は「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と総括されることになりそうです。