「BCGワクチンが新型コロナ予防に効果あり」との研究結果がアメリカなどが発表・報道され始める

  アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル「BCG ワクチンが新型コロナ予防にも効果があった」との研究結果を紹介しています。

  今回の対象は自己免疫疾患である1型糖尿病患者への『BCG ワクチン接種』が対象ですが、研究結果は論文として発表されているものです。したがって、有力な仮説であることは否定できないでしょう。

  幸か不幸か、日本では「特定の年齢層でBCGワクチンの接種率が低いと思われる県が存在」しているのです。この点に対する詳細な調査を行うことが “日本の専門家” に求められていることと言えるでしょう。


アメリカの統治下にあった沖縄県では「BCGワクチンの接種」は行われていなかった

  BCGワクチンは「結核を予防するワクチン」です。日本では欧米の先進国と比較すると結核が蔓延しており、平成25年以降は生後6ヶ月までに BCG ワクチンを接種することが推奨されています。

  ただし、この対応が全国一律で続いて来た訳ではありません。例外は沖縄県です。

  戦後、米軍統治下に置かれた沖縄県では、ほぼ返還前まで米国式の対策がとられており、BCGの接種が実施されていなかったほか、感染患者を見つけ出しては公衆衛生の担当看護師が在宅で患者を管理しつつ治療していました。その結果、戦前は日本の中でも高レベルだった沖縄県の結核死亡率が、戦後、本土より低くなりました。

  沖縄は1972年までアメリカによる統治が続いたのですから、「今年51歳になる “1971年生まれ” までは BCG ワクチンの接種率は低い」と予想されます。

  1945年生まれは今年77歳になるため、沖縄県の50代・60代・70代は BCG ワクチンの接種率が他の都道府県よりも低いはずです。したがって、これらの年齢層での新型コロナの陽性者数や重症化率を比較する価値があると言えるでしょう。


他都道府県よりも50代から70代が陽性者に占める割合が5ポイント高い沖縄

  厚労省の新型コロナに関する発表値から『年齢別の新規陽性者』に占める「50代から70代の割合」をグラフ化すると以下のようになります。

  新型コロナの陽性反応を示すのは「若者や子供たち」が大半を占めており、これは全国で共通することです。

  ただ、陽性者全体に占める50代から70代の割合が沖縄県では他都道府県よりも5ポイント高い状態が続いており、BA.5 による感染拡大では 25%〜30% の水準です。これは有意差として受け取るに十分な数値と言えるでしょう。


  現状では「BCGワクチンによる感染予防効果」が統計上の数値から期待は持ていますが、「重症化予防効果」も機能しているかを “外部から” 測定することはできません。

  これは新規重症者数を公表しているのが大阪府だけで大阪府以外の都道府県との比較・対象ができないからです。したがって、専門家がこれまで採られてきた新型コロナ対策の効果を検証する意味でも情報公開を要求すべきでしょう。

  それができないのであれば、政府の新型コロナ対策本部が即日解散すべきなのではないでしょうか。