「オミクロン株が主体の第6波では重症化率および致死率が第5波より大幅に減少」とアドバイザリーボードで報告
2月2日に行われた第70回・新型コロナ対策アドバイザリーボードで『オミクロン株による第6波』では『(デルタ株が主体の)第5波』より重症化率と致死率が大きく低下したと報告されたと毎日新聞が報じています。
複数の府県でその傾向が報告されているのですから、政府は基本対策の改正に向けて動くべきでしょう。なぜなら、デルタ株以前の対策は過剰である実態が示されているからです。
毎日新聞が報じた記事の元ネタ
毎日新聞が記事の “元ネタ” は2月2日に開催された第70回・新型コロナ対策アドバイザリーボードに木下栄作氏が提出した『資料 3-8(PDF)』と事務局名義で提出された『資料 5(PDF)』です。
『資料 3-8』には「広島県で報告されたオミクロン株による第6波」の重症化率や致死率が言及されています。
こちらは1月14日までの暫定版との注意書きがありますが、感染拡大から一定期間が経過しているため、数字が劇的に上がる可能性は低いと言えるでしょう。
『資料 5』は2021年下半期に広島県で報告された重症化率や致死率がまとめられています。
報告されていた数値をグラフにすると以下のようになります。
60歳以上(広島県)
重症化率
「重症化率はワクチン未接種者で依然として高い」と言及されていますが、それは80代以上でのことです。後期高齢者でワクチン未接種なのは「ワクチンを接種できない理由がある」と見るべきでしょう。
“70代以下” では(ワクチン接種状況に関係なく)オミクロン株による重症化率は 1% ほどなのです。「過剰な現行対策を継続する根拠は失われている」と言わざるを得ません。
重症者数
重症者数はデルタ株による感染拡大が起きていた時は「60代 > 70代 > 80代 > 90代以上」となっていましたが、オミクロン株では90代以上が最も多く報告されています。
「新規陽性者から遅れて重症者が報告される」と言っても、重症化率が倍増するなど跳ね上がることはないと考えられます。したがって、重症者で騒ぐことは不適切と結論付けられるべきでしょう。
致死率
致死率も(重症化率と同じで)高齢者ほど高くなっています。数値を引き上げているのは「90代以上」であり、現時点では参考程度に留めるべきでしょう。
死者数
60歳未満(広島県)
重症化率
50代以下の重症化率は『デルタ株』の時点で60代よりも低い水準でした。50代では 2.25% で60代だと 3.62% だったからです。
広島県では1月14日までに60代の重症者が報告されていないため、60代の重症化率は 0% となっています。
40代の重症者は2名、50代は1名です。暫定値であるものの懸念事項にはならないでしょう。
重症者数
ちなみにオミクロン株では30代以下の重症者は報告されていません。若者(や現役世代)にブースター接種を求める根拠は見当たりませんし、子供たちへのワクチン接種は論外と言わざるを得ないでしょう。
参考:大阪府から提出された資料
なお、毎日新聞が記事で用いた広島県のデータとは別で2月2日に開催された第70回・新型コロナ対策アドバイザリーボードで大阪府からも同様のデータが提示されています。
藤井睦子氏が提出した『資料 3-7 (PDF)』です。
大阪府では『デルタ株の感染期に記録した重症化率と死亡率』より『オミクロン株の感染期に記録した重症化率や死亡率』は1桁少ないのです。
「1月14日までの広島県のデータ」と比較すると「大阪府は1月30日まで」です。
『広島県の数値』は『大阪府の数値』に近づくと予想されるため、致死率が季節性インフルエンザと同程度にまで落ち込んだ新型コロナを『1類以上』に分類したままで対策を続けることは断罪されるべきなのではないでしょうか。