医療逼迫を煽り続けた岡山大学病院、補助金19億円の自主返納で「幽霊病床を用いた補助金詐欺ではない」とアピール

  岡山大学病院が新型コロナの入院患者を受け入れるための補助金を19億円あたり過大に受給していたことが明らかになったと NHK 岡山放送局が報じています。

  「意図的な過大請求ではない」と弁明していますが、その主張は通用しません。

  岡山大学病院は2022年夏の第7波と2023年初頭の第8波の際に「入院できる病床数がない」と世間に訴える一方で『実際には確保していない病床数』を“上乗せ” して国に補助金を請求していたのです。

  病院長が遺憾の意を表明するだけでは再発防止策にならないことは明らかです。シンプルに詐欺案件なのですから「責任者の逮捕」は不可避と言えるでしょう。


『実際よりも高額な単価の病床』で申請して補助金を受給していた岡大病院

  岡山大学病院が “自主的な検査” で判明したのは「実際よりも高額な単価の病床を申請していて過去2年間に19億円の補助金を過大に受給していた」というものです。

  手口としては「軽症または中等症用の病床を ICU 基準として申請」するか「確保病床を即応病床として申請」するかのどちらかでしょう。いずれも後者の基準で申請すると高額な補助金を得られるからです。

  ちなみに、岡山大学病院の新型コロナ患者の受け入れ状況は以下のとおりです。
(※ 2022年11月2日分は即応病床数の申請すべき数値を間違えている可能性が大)

  各医療機関の新型コロナ病床の確保状況や使用率は厚労省が公表しており、岡山大学病院も対象としてリストに入っています。

  岡山大学病院が入院を受け入れた新型コロナ患者は確保病床の半分ほどです。また、即応病床の半分を超えるケースが稀なのですから病床確保による補助金を過剰に受け取っていた事実は否定できないでしょう。


「医療逼迫が起きていて新型コロナの患者を受け入れられない」と煽っていた岡山大学病院

  岡山大学病院が悪質なのは「医療逼迫が起きていて新型コロナの患者を受け入れられない」と煽っていたことでしょう。1つ目は2022年8月のツイートです。

  「新型コロナで酸素を吸わなければならない状態になっても入院できない」と主張していますが、『確保病床』に迫る新型コロナ入院患者を受け入れてない実態が上述した厚労省の資料で示されています。

  オーバーに表現していないのであれば、幽霊病床を使った補助金詐欺で世間を欺いていたことに他なりません。

  しかも岡山大学は「岡山県の医療を守るために、みなさんと共有したいこと」とのメッセージを2023年1月23日に配信する絶望的なセンスのなさを示しています。

  岡山大学に所属する頼藤貴志氏と萩谷英大氏の両氏は「岡山大学病院での不適切な補助金受給に対する説明責任を果たすこと」が先決でしょう。そうしないと批判を招くだけだからです。


岡山5区選出の加藤勝信厚労相が「泣いて馬謖を切れるのか」は疑問

  厚生労働省はコロナ病床の実態調査をすると加藤厚労相が表明しています。ただし、アリバイ作りに終わる可能性は十分にあり得ます。

  民間でコロナ補助金を不正受給した案件では逮捕者が出ていますが、医療機関では今回の岡山大学病院のような不正受給でも「病院長のお詫び」で水に流されつつある状況です。

  実態調査をする厚労相のトップが衆議院・岡山5区選出の加藤勝信議員ですし、岡山4区の選出議員は橋本龍太郎・元首相の次男で厚労族の橋本岳議員です。

  橋本岳議員の現在の妻は “日本医師会の考える政策の実現のために活動する日本医師連盟” からの支援を受ける自見はなこ議員であり、補助金の不正受給で医療業界から逮捕者が出ることはないでしょう。厚労族議員からの介入が想定されるからです。



  医療業界を舞台とした補助金詐欺には『世間一般と同じ水準の刑罰』を科さなければなりません。岡山大学病院で不正に手を染めた上層部が責任を問われないのであれば、同様の補助金詐欺は今後も続くことになるではないでしょうか。