不正確な新型コロナ報道: 2021年春以降の『2類相当』との誤った認識を改めず

  新型コロナによる問題が各所で尾を引いている理由はマスコミの報道内容も少なからず影響を及ぼしていることは否定できません。

  その1つは「新型コロナの法的分類に対する誤った認識」です。『2類相当』である時期があったことは事実ですが、変更された後も『2類相当』の表現を使い続けたのです。

  このミスリードを続けたことは報道機関として反省しなければならないことでしょう。


2020年に「新型コロナは2類相当」と表現するのは正しい

  まず、新型コロナウイルス感染症の “最初の” 法的分類は『指定感染症』でした。

  これは最初に新型コロナ対策に当たった安倍政権が『指定感染症』に分類し、『指定感染症』が「2類相当」の位置付けで対応が行われたのです。

  ただ、『指定感染症』は有効期間のある暫定的な位置付けであり、新型コロナウイルス感染症が『指定感染症』となった1年後の2021年2月には法的分類が『新型インフルエンザ等感染症』に変更されました。

  この事実を正確に報じなかったことが問題なのです。


2021年春以降は「新型コロナの法的分類は1類以上」と表現されなければならない

  実際に NHK などマスコミ各社は新型コロナを「2類相当」とする報道を改めた様子はありません。

  「『2類』よりも厳しい措置が採れる」と言及しているにも関わらずです。

  2020年の2月に法改正で5つの類型に入らない「新型インフルエンザ等感染症」に位置づけられ、外出自粛要請など「2類」よりも厳しい措置がとれるほか、緊急事態宣言のような強い行動制限ができるようにしていました。

  この報道姿勢は不誠実と言わざるを得ないでしょう。『新型インフルエンザ等感染症』に分類されると実際には『1類以上』の対応が可能となっているからです。

  感染症法で『1類』に分類されているエボラ出血熱であっても「濃厚接触者への外出自粛の要請」は出せないのです。しかし、新型コロナの濃厚接触者への外出自粛要請が出されています。

  また、結核など『2類』に属する感染症の患者は無症状者に対する制限は法律で許されていないのです。

  報道機関がこれらの事実を無視し、新型コロナを『2類相当』と報じ続けるのは問題でしょう。事実を正確に報じることができていないからです。



  “オミクロン株に変異した後の新型コロナウイルス感染症” による(重症化率や致死率と言った)脅威は「すべての年齢層で季節性インフルエンザ未満である」と厚労省のアドバイザリーボードも認めました。

  季節性インフルエンザの感染症法上における分類が『5類』なのですから、「 “5類に分類されている感染症よりも脅威の低い新型コロナ” を『5類』として対応すること自体が過剰反応である」との指摘をする責務が報道機関にはあるはずです。

  新型コロナによる諸問題をマスコミの煽り報道が延焼させた責任は追求されるべきだと言えるでしょう。