新型コロナワクチンの接種リスクを “ガン無視” して猛プッシュした河野太郎氏、「後遺症の責任を取るとは言ってない」と開き直る

  衆議院議員の河野太郎氏が自身のブログで『ネット上のデマについて』とのタイトルで「 “後遺症について” 責任をとるなどという発言をしたことはない」と主張しています。

  『ワクチン接種担当大臣』として国民にワクチン接種を猛プッシュしていた政治家が「運び屋である私」と責任の矮小化に勤しんでいるのは無視できません。

  また、「ネット上のデマ」を論じる前に「(該当の記事内にも存在する)自らが流したデマ」を改めることが先でしょう。


河野氏は「ワクチンの接種リスクをガン無視」していたので、「責任を取る」と発言する必要がない

  まず、河野太郎氏が「新型コロナワクチンの接種を受けた人に被った副反応・副作用に対して(政府の担当大臣としての)責任を負う」との発言をしたことはないはずです。

  その理由は「河野氏が新型コロナワクチンの接種リスクを “ガン無視” していたから」です。

  2021年12月に河野太郎氏は古賀茂明氏と対談し、“血栓の問題が指摘されていた若者への『アストラゼネカ製のワクチン接種』に消極的だった厚労省” に「ワクチンがあるのだから接種を」と迫ったと回顧しています。

  また、河野氏は自身を「運び屋」と称していますが、「ワクチンがあるのだから接種せよ」と要求した時点で “運び屋” ではないことは明らかです。

  「運び屋」の私が「後遺症について」責任をとるなどという発言をしたことはありません。

  それに「新型コロナワクチンの接種リスクは起こり得ない」と結論付けていれば、「(接種によって生じた副反応や副作用に対する)責任を取る」などと発言はする必要はありません。だから、河野氏は強気なのです。


『ゼロリスクで押し切れない現実』が突き付けられたので「接種リスクは極めて稀だが不可避的に生じる」と逃げを打つ

  しかし、河野氏が『新型コロナワクチンの接種リスクに対する評価』を変更していることは事実でしょう。

  予防接種の副反応による健康被害は、極めて稀ですが、不可避的に生ずるものです。

  2022年12月末の時点における河野氏は「ワクチンの接種リスクが極めて稀だが不可逆的に生じる」との認識ですが、この認識はワクチン接種担当大臣時代には持ち合わせていなかったと思われます。

  その認識を有していれば、「アストラゼネカ製の新型コロナワクチン接種の副反応である血栓は極めて稀に不可避的に生じるが接種で得られるメリットはデメリットよりも大きい」とのロジックで接種を推奨していたはずだからです。

  おそらくですが、河野氏の要求は「メディアの前で “河野大臣が” 血栓の問題が生じるリスクは認識しているが若者にも接種を推奨すると公言して責任を負ってくれるのか?」と厚労省から迫られたので取り下げたのでしょう。

  ちなみに、リスクを認識した上で “重症化リスクの低い若者” に「家族(や高齢者)を守るためのワクチン接種を」と『利他的接種』を勧めていた場合は「認識ある過失」として批判を浴びることは避けられません


「ワクチンとの因果関係が否定できないと判断された事例はない」との主張はデマ

  最後に、河野氏はブログで「ネット上のデマについて」とのタイトルで記事を配信していますが、その記事の中にデマが含まれていては説得力がありません。

  日本では、副反応疑い報告制度により、ワクチン接種後の死亡事例が報告されていますが、現時点でワクチンとの因果関係が否定できないと判断された事例はありません。

  河野氏は「『ワクチンとの因果関係が否定できない』と判断された新型コロナワクチン接種後の死亡事例はない」と主張していますが、2022年11月上旬の時点で「『ワクチンとの因果関係が否定できない』と判断された死亡事例がある」NHK などが報道しています。

  また、2022年12月には「20代女性が『接種と死亡の因果関係は否定できない』と評価されて一時金支給が決定した」と朝日新聞が報じています。

  新型コロナウイルスワクチンの接種による健康被害を審査する厚生労働省の専門家分科会は12日、接種後に死亡した26歳女性について、死亡一時金の請求を認めた。接種後に小脳出血、くも膜下出血になり、接種と死亡の因果関係は否定できないと評価された。女性に出血と関連する基礎疾患などはなかった。接種の時期、ワクチンの種類などは明らかにしていない。

  河野氏が誤った情報を流しているのは報道内容から否定できないことですし、「自らが流したデマを追求されたくないために批判の矛先を変えようとしている」との批判は避けられないでしょう。


FYI

  余談ですが、河野太郎氏の主張を支持する人々は厚労省の『予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会』に提出されている資料を用いて「ワクチンとの因果関係が否定できないと判断された事例はない」と主張するでしょう。

  『予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会』で用いられている資料では「ワクチンと死亡との因果関係が否定できない事例」は0件だからです。(2022年12月16日発表分

  河野氏が『予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会』の資料を基に「ワクチンと死亡との因果関係が否定できない事例はない」と改めて主張した場合、野党側は政府に質問主意書を出すべきでしょう。

  新型コロナワクチンの接種被害を審査しているのは『感染症・予防接種審査分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会であり、「予防接種健康被害審査部会からの報告情報を反映しないのか?」と質されると政府は苦しくなるからです。

  法的措置を検討すると同時に「自らが発信した誤った情報を速やかに訂正」し、場合によってはデマを流したことへの謝罪を行う必要があるのではないでしょうか。