厚労省がワクチン分科会で示された『粗雑な資料』を用いて「5歳から11歳にもコロナワクチン接種」に突き進む

  厚生労働省のワクチン分科会が「5歳から11歳にも新型コロナワクチンを接種した際に有効性がある」と主張し、ワクチン接種が行われることになったと朝日新聞が報じています。

  ただ、有効性は詐欺的な根拠に基づいて示されたものなのです。「5歳から11歳にもワクチン接種を行う」との結論ありきと言わざるを得ないでしょう。


根拠となる資料の提出者は感染研の鈴木基・感染症疫学センター長

  厚労省が採用した資料(PDF)を12月23日に行われた第28回ワクチン分科会に提出したのは国立感染研の鈴木基氏です。鈴木氏は厚労省のアドバイザリーボードの一員でもあり、「結論ありき」であることは否めません。

  まず、中等症と重症の線引きは下表で示した “いずれかの症状” がある場合と言及されています。

中等症以上重症
肺炎像
重篤な肺炎
多臓器不全
ARDS
(急性呼吸窮迫症候群)
死亡例

  『肺炎像』がある状態なら中等症ですが、『重篤な肺炎』になると重症として扱われます。呼吸が苦しい場合でも医師が『ARDS』と診断すれば「新型コロナ重症例」となることに留意が必要です。

  なお、新型コロナワクチンの接種対象に追加予定の5歳から11歳で報告された症例数は次のとおりです。

2020年1月
〜2021年3月
2021年4月〜12月
【alfa, delta】
患者数 860961967
中等症以上 6 (0.07%) 171 (0.28%)
重症 025 (0.04%)

  HER-SYS 集計データでは2021年4月から12月までに重症化した5歳から11歳は陽性者の 0.04% と報告されています。ただ、死者は1人して報告されておらず、全員が回復しています。

  この前提を無視した推定で「5歳から11歳への新型コロナワクチン接種には有効性がある」との主張がされているのですから、内容は厳しい批判にさらされるべきでしょう。


「42万人が死亡する」でお馴染みの『SIRモデル』を用いた被害予測が前提

  鈴木氏の予測で問題なのは『SIRモデル』を用いていることです。これは西浦氏が「何もしなければ42万人が死亡する」と断言して赤っ恥をかいたモデルです。

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  しかも「100日以上に渡って感染拡大が続く」という驚きの予測をしているのです。その結果、11歳以下の陽性者数は10万人超との数字が算出されました。

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  2021年12月21日時点(PDF)での10歳未満の累計陽性者数が9万4554人なのです。この時点で『鈴木氏の予測』は過剰です。

  しかも鈴木氏らの予測は11歳以下の重症化率を 0.1% と見積もっているのです。HER-SYS 集計データでは「0.04%」と示されているにも関わらずにです。これらの前提を基に示された「ワクチン接種による有効性は詐欺同然」と言わざるを得ません。


オミクロン株の感染拡大でも50日も持たない

  鈴木基氏による予測モデルは『オミクロン株』による感染拡大は考慮されている気配はありません。なぜなら、南アフリカでの感染拡大は既に収束へと向かっているからです。

  鈴木氏(や予測モデルの構築で協力したであろう古瀬祐気氏)が『SIRモデル』で示した「100日以上に渡って感染拡大が続く」は否定されているのです。しかも、オミクロン株の毒性がデルタ株よりも低いことはヨーロッパからも報告されています。

  現実的には『算出された陽性者数』と『想定された重症化率』は1桁大きいと見なすべきでしょう。

  11歳以下で重症化するのは「10名前後」との予測が現実的であり、その事態を回避するために「ワクチン接種者の 1% に副反応を背負わせることは割に合うとは言えない」からです。


“10歳以下の子供よりも重症化リスクの高い20代” での重症化率が 0.1%

  鈴木基氏が『予測モデル』で採用した「5歳から11歳の新型コロナ罹患時の重症化率」も実態に即していないものです。なぜなら、重症化率 0.1% は大阪府から報告された20代の数値に該当するものだからです。

  アルファ株による感染拡大が起きていた2021年4月後半から5月前半にかけての20代の重症化率の7日間平均は「0.1〜0.2%」でした。なお、デルタ株の感染拡大があった8月後半は「0.1%弱」です。

  10代以下の子供たちの新型コロナ重症化率は「20代の重症化率(≒ 0.1%)よりも低い」のですから、想定値が不適切であることは明らかです。

  数字としては「0.01% 前後」が目安となるでしょう。この数字でも『アルファ株』や『デルタ株』の毒性から算出したものであり、それらの株より毒性が低い『オミクロン株』を想定したものではないのです。

  したがって、鈴木基氏ら分科会のメンバー(や厚労省)が主張する新型コロナワクチン接種による有効性の根拠は「皆無に近い」と見なされるべきでしょう。


インフルエンザでは「14歳未満は毎年150人前後が集中治療室に入院」している

  その理由はインフルエンザ罹患時に集中治療室に入院する子供たちの数です。感染研が発表している資料(PDF)を確認すると、14歳未満で毎年150人前後です。

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  11歳以下に条件を絞っても毎年インフルエンザで100人強が集中治療室に入院しているのです。

  ※ 感染研の鈴木氏が示した『SIRモデル』を用いた荒唐無稽な予想値での重症者は「71名」

  子供たちにとって「新型コロナは季節性インフルエンザよりも脅威が低く」、「新型コロナワクチンはインフルエンザワクチンよりも副反応・副反応が重い」ことが実情です。

  上述の事実が示されているにも関わらず、そのことには言及せず新型コロナワクチン接種を推奨する専門家は “回し者” と批判せざるを得ません。



  分科会のメンバーはワクチン接種をすることで経済的な恩恵を得ることができる立場の人間です。ワクチン接種をした子供たちが副反応に見舞われても、彼らは「強制はしていない」と逃げるでしょう。

  『中国・武漢で発見された株』を基に製造された新型コロナワクチンを接種しても『オミクロン株』への効果は薄いことは世界中から研究結果や感染状況として報告されているのです。

  重症化しにくい子供たちにとっては「接種を見送る」が選択肢であることを知っておいて損はないはずです。