鈴木基氏、アドバイザリーボードに『ワクチン接種済の新型コロナ死者を半分に圧縮した虚偽グラフ』が含まれた資料を提出

  2022年12月28日に開催された厚労省・新型コロナ対策アドバイザリーボードで感染研の鈴木基氏が提出した資料(PDF)のグラフに重大な間違いがあったことを指摘したいと思います。

  問題は「ワクチン接種回数ごとの重症例および死亡例をグラフ化した際に『2回接種の死亡例』と『3回接種の死亡例』の数値が『全症例のグラフ』では半分に圧縮されていること」です。

  この凡ミスはあまりにお粗末ですし、意図的であるなら厳しい批判は免れないでしょう。


『2回接種者』と『3回接種者』の死者数が半分に圧縮された『全症例のグラフ』

  鈴木氏が提出した資料(PDF)にある誤りは以下の部分です。

  ワクチン未接種者の重症例や死亡例は『全症例のグラフ』で「508例」と正しく図示されているのですが、『2回接種者』と『3回接種者』のグラフには明らかな誤りが存在します。

  『2回接種者の死亡例』は700例『3回接種者の死亡例』は800例です。『全症例のグラフ』の縦軸で示されている症例数が「500」で留まることはあり得ません

  “最後に接種した新型コロナワクチンのメーカー” が確認できない『不明』を除外したことが理由と思われますが、「あまりにお粗末なデータ処理」との批判は免れないでしょう。


全症例のグラフ(修正版)

  ちなみに、鈴木氏などが提出した資料にある『新型コロナワクチンの接種回数に応じた重症例や死亡例の全症例数』をグラフに反映すると以下のようになるはずです。

  グラフで用いた数値は概数ですが、症例数を示す縦軸の数値が「500で収まらない」ことは一目瞭然です。1つ項目である『死亡例』の数値よりも『全症例』が少ないことを見落とした資料を掲載したことは専門家として反省しなければなりません。

  訂正と資料の差し替えを速やかに実施し、そのことを周知することが最低限の責務でしょう。