「新型コロナ3回目接種の有効性はオミクロン株では識別できず」とイギリスの症例を基にした論文で示される

  イギリスでの新型コロナの感染症例とワクチン接種状況が分析され、「18歳以上で新型コロナワクチンの3回目接種を受けた集団ではワクチン接種による有効性は識別できなかった」との論文が medrxiv に掲載されています。

  論文では「識別可能な有効性は認められなかった」と結論付けていますが、3回目接種者の陽性反応者・入院患者・死者が2回接種者や未接種者よりも人口比で多いことは無視できません。

  『感染対策』と称して子供・若者・中年層にまで「新型コロナワクチンの3回目接種」を求める日本の行政や医療による方針は無意味と言わざるを得ないでしょう。


イギリスでの新型コロナによる人口10万人あたりの週別・新規陽性者数

  18歳以上におけるイギリスでの人口10万人あたりの週別・新規陽性者数をワクチン接種状況に応じて図示したものが以下です。

  イギリスでの週別・新規陽性者数は「『ワクチン未接種者』が人口10万人あたりで最も少ない」という状況が2021年第40週(=10月4日)以降は続いています。

  この論文で問題となるのは『ワクチン3回目接種者』の週別・新規陽性者数が2022年第9週(=2月28日)を境に『ワクチン2回目接種者』よりも多くなってしまったことでしょう。

  日本では「感染拡大を防ぐために3回目接種を」と呼びかけていますが、イギリスの先行症例では「効果は2ヶ月で消えてマイナスが現れる」と示されているのです。この事実が突きつけられているのですから、感染対策の転換が必要となっています。


イギリスでの新型コロナによる人口10万人あたりの週別・入院患者数

  イギリスでの新型コロナによる人口10万人あたりの週別・入院患者数をワクチン接種の有無に応じて図示したものが以下です。

  入院患者は2021年の年末までは『ワクチン未接種者』が最大でした。

  ところが2022年第6週(=2月7日)には『ワクチン未接種者』の入院患者数が『ワクチン3回目接種者』を下回り、2022年の3月中旬(=第11週)以降は『ワクチン3回目接種者』の入院患者が『2回目接種者』をも上回る状況なのです。

  「重症化を防ぐ」との触れ込みにも疑念が呈される数値が報告されており、この事実を無視した対策を声高に訴えたところで聞く耳が持たれなくなるのは当然と言わざるを得ないでしょう。


イギリスでの新型コロナによる人口10万人あたりの週別・死者数

  イギリスでの新型コロナによる人口10万人あたりの週別・死者数をワクチン接種状況に応じて図示すると以下のようになります。

  オミクロン株による感染拡大が起きていた2021年年末から2022年初頭にかけては新型コロナによる死者は『ワクチン未接種者』の方が『ワクチン接種者』よりも人口比で多い状況でした。

  ところが3回目接種が本格化した2022年2月初旬からは『ワクチン接種者』の死者数が逆転し、3月中旬には『ワクチン3回目接種者』が『ワクチン2回目接種者』よりも多くなっています。

  「重症化しやすい高齢者や基礎疾患保有者が新型コロナワクチンの3回目接種を受けたから」と反論することは可能ですが、その場合は “健康な若年層” にまで新型コロナワクチンを半強制的に接種させる必要性が失われます。

  接種効果がまだ期待されるのは「高齢者」なのですから、今後は接種による恩恵がある高齢者自身に『応益負担を求める方針』への転換が必要となるでしょう。


未だに「ワクチンには効果がある」と主張し続ける木下喬弘氏

  その一方で手を洗う救急医を名乗って活動する木下喬弘氏は「新型コロナワクチンは重症化や死亡を防ぐ」と主張し、小児にも接種を推奨するツイートをしています。

  イギリスから「3回目接種を行なってもオミクロン株では有効性は認められない」との結論が示されている状況で『実際の報告症例数を基にした論文とは真逆の主張』を木下氏が行なっているのです。

  木下氏などが主張する “新型コロナワクチンの接種効果” は『実験室での報告数を基にした論文』が根拠となっており、『現実世界での症例数を基にした論文』では有効性を示す事ができていません。

  この事実は直視しなければならないのではないでしょうか。