東大医科研が「自然感染による免疫は長期間記憶される」と発表、アドバイザリーボードの資料から消えた「再感染率3%」

  東京大学医科学研究所が「従来株による感染で誘導された免疫は長期にわたり記憶され、変異株に対する感染防御に寄与する」との研究結果を発表しています。

  「新型コロナワクチンの効果持続期間よりも自然免疫の方が優れている」との結果が示されたのです。また、この研究結果を裏付ける資料がアドバイザリーボードでも示されていることを知っていて損はないでしょう。


東大医科研が発表した内容

  東京大学医科学研究所が発表した研究結果の概要は以下のものです。

  • mRNAワクチン(ファイザー社もしくはモデルナ社)の被接種者血清のデルタ株に対する中和活性(注1)は、従来株に対する活性よりも低かった
  • 従来株の感染から回復し、長期間経過したハムスターは、デルタ株の再感染に対しても従来株に対してと同等の抵抗性を示すことが明らかとなった。また、このハムスターにデルタ株を再感染させたところ、同個体から別の個体へのウイルス飛沫伝播は認められなかった
  • 従来株の感染によって誘導された免疫は、長期にわたり記憶され、変異株に対する感染防御に寄与することが明らかとなった

  新型コロナワクチンはデルタ株に対する中和活性は従来株より低かったが、従来株の感染から回復したマウスはデルタ株の再感染に対しても従来株と同等の抵抗性を示したと報告されています。

  「ワクチンで新型コロナを克服」という “ストーリー” を描きたい人にとっては不都合な現実と言わざるを得ないでしょう。


アドバイザリーボードで1度だけ示されていた再感染率

  東大医科研が発表した研究結果を裏付けるデータは厚労省の新型コロナ感染対策アドバイザリーボードで示されています。

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  ただ、発表されたのは1月20日に行われた第68回に鈴木基氏が提出した資料(PDF)で言及された1度だけで、その後の更新はありません。

  (オミクロン株の感染拡大が本格化した)2022年1月までの再感染症例の割合は全体の 3% ほど。ワクチン接種効果と比較するとその差は歴然です。


『2回接種後・6ヶ月以降』の有効率が『2回接種後・4〜6ヶ月』よりも挽回するワクチン

  新型コロナワクチンの効果に疑問符が付く理由は「接種効果は減衰が続くはずなのに効果が “復活” すること」でしょう。これもデータで示されています。

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  根拠となっているのは2月16日に開催された第72回・新型コロナ感染対策アドバイザリーボードに提出された鈴木氏の資料(PDF)です。

  新型コロナワクチンは「接種から時間が経過すると効果が薄れる」ため、ブースター接種(=3回目接種)を推奨するよう呼びかけが政府や医療関係者から行われています。

  しかし、『2回目接種から4〜6ヶ月』と『2回目接種から6ヶ月以降』では後者の方が有効性が高いと示されているのです。これは日本だけに限った事例ではなく、海外での報告症例でも示されている事象です。

  ADE (抗体依存性感染増強)が起きている可能性を示唆するデータになり得るものですし、接種推進派は『不都合な現実』に対する科学的な説明を果たさなければなりません。

  十分な説明ができないのであれば、全年齢層を対象にした接種は「見合わせ」とする必要があるのではないでしょうか。