テレビ朝日が「『ケルベロス』や『グリフォン』に連続感染する恐れがあるのでワクチン接種を」との煽り記事を配信

  テレビ朝日が「『ケルベロス』や『グリフォン』と呼ばれる新型コロナの変異株への連続感染を懸念する声が医療の現場から出ている」との記事を配信しています。

  短期間に風邪やインフルエンザに連続感染するのであれば、「当人の免疫機能に問題が生じている」と見た方が良いでしょう。健康な一般人には当てはまることではありません。

  また、『ケルベロス』や『グリフォン』と呼ばれる変異株による感染期間は「従来と大差はない」のです。事実を無視した煽り記事を配信する報道機関は批判されるべきでしょう。


アメリカやアジア(=シンガポール)での感染状況

  テレ朝が記事で『ケルベロス』や『グリフォン』に関して触れているのは以下の部分です。

  現在、アメリカなどで流行している「BQ.1.1株」、通称「ケルベロス」。さらに、アジアなどで広がっている「XBB株」、通称「グリフォン」が日本でも猛威を振るう可能性があるというのです。

  記事にあるアメリカとアジアで『グリフォン』による感染拡大が起きたシンガポールの新規陽性者数を Our World in Data で確認することにしましょう。

  2022年7月中旬に日本が BA.5 による感染拡大が起きて以降は「人口あたりの新型コロナの新規陽性者数はアメリカよりも日本の方が多い状況」が続いています。

  しかもアメリカでの『人口あたりの新型コロナの新規陽性者数』は「横ばい」です。もし、『ケルベロス』による感染拡大が日本で起きたのなら「日本での対策や対応が間違っていた」との結論を尾身氏や脇田氏などの専門家は受け入れなければなりません。

  また、『グリフォン』による感染拡大は2022年10月にシンガポールで起きていましたが、当局の予想よりも早く収束へと向かいました。

  この事実は日本で感染症対策を指導する専門家にとって都合が悪いため、事実が伏せられた状態で「BA.5 よりも強い感染力を持つ可能性があると言われる『グリフォン』」などとの煽りが行われないかを注視しなければならないでしょう。


『ケルベロス』や『グリフォン』も新型コロナワクチンを接種させるための口実

  テレ朝の記事は「新型コロナワクチンを接種させるための煽り記事」と結論付けて良いでしょう。記事の最後に国際医療福祉大学の松本哲哉氏を登場させ、以下のように語らせているからです。

  対策の鍵となるのは、やはりワクチンの接種だということです。

  松本主任教授:「新たな変異株が色々出ているが、基本的には『オミクロン株』。早めにオミクロン対応のワクチンを接種して頂くということが、自分の身を守る重要なポイントになる」

  オミクロン株の重症化率や致死率は季節性インフルエンザよりも下がったのです。

  新型コロナワクチンはインフルエンザワクチンとは違って自己負担はないものの、副反応はインフルエンザワクチンよりも明らかに重いのです。

  “インフルエンザワクチンを接種する習慣のない人” がわざわざ新型コロナワクチンを接種することはないでしょう。重症化するケースが極めて稀な子供たちや学生・勤労世代にはデメリットの方が大きいからです。