日本の新型コロナ対応は「最初から間違っていた」し、「誤った答申を続ける諮問機関を放置したこと」が致命的だった

  デイリー新潮が「世界から笑われる日本のコロナ対策はどこで道を誤ったのか」との記事を掲載しています。

  現実には「日本のコロナ対策は最初の緊急事態宣言の発出から間違っていた」と結論付けなければなりませんが、これは結果論です。『2020年4月の緊急事態宣言』は「間違い」でしたが、「理解はされる」でしょう。

  しかし、『2020年5月の緊急事態宣言の延長』以降に採られた対応策は「諮問機関からの答申内容を精査せずに鵜呑みにした」のです。これが致命傷になりました。


「接触削減で “2週間後には” 感染者の増加をピークアウトさせられる」との虚偽情報を吹き込んだ専門家

  まず、精査されるべきは2020年4月に発出された『1度目の緊急事態宣言』でしょう。当時の安倍首相は以下のように記者会見で言及していました。

  足元では5日で2倍になるペースで感染者が増加を続けており、このペースで感染拡大が続けば、2週間後には1万人、1か月後には8万人を超えることとなります。

  しかし、専門家の試算では、私たち全員が努力を重ね、人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減することができれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができます。

  専門家は「人との接触削減を最低7割・極力8割削減すれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせることができる」と主張していたのです。

  ところが、実際には『発症日別の新規陽性者数』は緊急事態宣言が発出される前の時点でピークアウト。『報告日別の新規陽性者数』も緊急事態宣言から2週間も経過しない間にピークアウトしたのです。

  つまり、専門家は政府の諮問に対して『間違った答申』をしていたことは2020年4月下旬の時点で明らかでした。その理由を説明できていないのですから、無能な専門家で構成された諮問機関をそのままにした政治の責任は免れないでしょう。


尾身・脇田・西浦など専門家の顔ぶれは2020年春先から変わっていない

  政府が2020年4月末から5月初頭に最低限すべきだったのは「尾身会長を始めとする専門家集団が出した接触削減をすれば2週間後にピークアウトという答申が現実と全く異なった理由は何か」と諮問することでした。

  また、厚労省で勝手に記者会見を開いて「何もしなければ42万人が死ぬ」と煽るデマを流した西浦博氏を専門家集団から(ガバナンスを乱したとの理由で)追放する必要もありました。

  しかし、それらの必要な対処を政府はせずに専門家の『提言』を2022年の初冬を迎えた今現在でも受け入れ続けているのです。

  その結果、“まともな分析力のない感染症対策の専門家” は自己保身に走り、“医療系の政治屋” はコロナ対策用の補助金を業界に流す我田引水で私腹を肥やすことを止めようとはしないのです。

  医療は「業界収入の9割が税金と保険料」であり、収入は景気ではなく診療行為数によって決まります。これが「若者や子供たちを犠牲にした新型コロナ対策を支持する要因」であることは明らかと言わざるを得ません。


『富を生み出す勤労世代』より『勤労世代が生み出した富を医療に移転させる存在である高齢者』を優先するコロナ対策を採るから世界から笑われる

  欧米のほとんどの国では『富を生み出す勤労世代』や『将来の勤労世代である子供たち』に政策の優先度を置いたため、新型コロナ対策は必然的に終了する流れとなりました。

  ところが、日本は “世界に誇る国民皆保険制度” が『勤労世代の生み出した富を医療関係者に移転させる制度』として機能しているため、『医療を必要とする高齢者』を優先すると「高齢者から投票」と「医師会経由での多額の政治献金」が得られる状況にあります。

  だから、若者や子供を犠牲にした新型コロナ対策が平然とまかり通るのです。

  すでに少子化という形で弊害が現れていますが、少子化が『深刻な政治問題』となるのは「今の子供たちが勤労世代に達してから」であり、その時に “現在の高齢者” はこの世にはいません。

  『勤労世代の生み出す富』だけでは足りずに『将来世代名義の借金』を加えて高齢者や障害者向けの社会保障費が捻出されているのが実情なのです。



  “世界から笑い者にされる土壌” はコロナ前からありましたし、『高齢者に偏重した新型コロナ対策』を続けたことでそれが白日の下にさらされたに過ぎません。「責任の所在は医療と政治にある」と名指し批判することが是正の第1歩になるでしょう。