人口動態統計速報(2022年6月): 出生数が推計・低位の水準を保ち、死者数は推計・中位をやや上回る

  厚生労働省が人口動態統計・速報の2022年6月分を発表していましたので紹介いたします。

  出生数は前年同月より -9.2% の6万4475人に留まりました。この数値は推計・低位に近く、2022年上半期の累計出生数は前年より 5% のマイナスです。

  「出生数が推計・低位の水準にまで落ち込んだこと」がコロナ対策の弊害であることは否定できない状況となっています。

  一方の死者数は前年同月より +2.9% の11万1904人でした。

  日本は毎年2万人ずつ死者数が増える高齢社会の真っ只中ですから 3% 前後の増加は想定内です。上半期の累計死者数も「2020年の死者数前年割れ」を清算するまでには至っていない状況に変わりはありません。


出生数(2022年6月・人口動態統計速報)

  出生数は速報値で推計・低位よりも3000人ほど多い水準です。しかし、『速報値における出生数』は「概数値よりも数千人ほど多い」ことが実情です。

  したがって、2022年上半期の出生数(概数値)は推計・低位で予想された36万5000人強に落ち込む可能性が高いと言わざるを得ないでしょう。

2022年1月から6月の累計出生数

  2020年上半期の出生数は「推計・低位と推計・中位の中間ぐらい」でしたが、コロナ対策による接触削減が声高に叫ばれた影響が反映される2021年以降の出生数は「推計・低位に近い水準」にまで落ち込んでいます。

  後期高齢者の余命を守るために出生数や若者の人権を犠牲にしたのですから、その対策を支持した(医療関係者や行政に代表される)人々は責任を厳しく追及されても文句は言えないでしょう。

年間出生数の将来推計値

  推計・低位の場合、2022年の年間出生数は74万8000人に留まります。推計・中位だと年間出生数が80万人割れとなるのは2033年ですから、コロナ対策で少子化が10年前倒しになったことは否定できません。

  「この事実を認めようとしないコロナ対策継続支持派は害悪」と言わざるを得ないでしょう。


死者数(2022年6月・人口動態統計速報)

  2022年6月の死者数は速報値で11万1904人でした。前年同月比は +2.9%、『推計・中位』と『推計・高位』の中間の数値でした。

  2020年に「死者数の前年割れ」という異常事態の “清算” が終わっていないため、死者数が推計・中位を超える年が発生することは想定内と言えるでしょう。

2022年1月から6月の累計死者数

  2019年からの3年間は上半期の累計死者数はいずれも『推計・中位』を下回ってします。これは「暖冬で高齢者の死者数が少なかった」と言えるため、2022年とは気象条件が異なることに留意が必要です。

  2022年の初頭は「厳冬」に見舞われましたし、毎年2万人ずつ死者数が増える中で「前年割れを記録した2020年の超過生存分の清算は未完了」と死者数が例年よりも増加する大きな要因を2つも抱えています。

  過去最高の死者数を “毎年” 記録するのが超高齢社会の日本なのです。この事実を無視した煽りを真に受ける必要はありませんし、煽りを続ける輩には厳しい批判を向ける必要があるでしょう。