人口動態統計速報(2022年5月): 死者数は推計・中位から +4% に低下も、出生数が推計・低位に近い水準で推移

  厚生労働省が人口動態統計・速報の2022年5月分を発表していましたので紹介いたします。

  2022年5月の死者数は速報値で12万1473人でした。前年同月より +2.4%、将来推計人口・中位より約5000人多い数値です。ただ、推計・高位よりも6000人少ないことから想定内と言えるでしょう。

  一方で出生数は速報値で6万5190人と推計・低位に近い値となっています。2022年1月以降の出生数は深刻な落ち込みが続いており、コロナ対策による大きな弊害の1つであることは否定できなくなっています。


出生数(2022年5月・人口動態統計速報)

  出生数は緊急事態宣言が発出された関係で2021年1月および2月に「激減」とイレギュラーな事態に見舞われましたが、2022年1月以降は「コロナ前の傾向」に戻りつつあります。

  しかし、出生数が『推計・低位』の波形をなぞっていることが懸念点です。

  『推計・低位』における2022年の年間出生数は74万8000人です。「出生数80万人割れ」は『推計・中位』の場合は2033年に起きることであり、コロナ対策禍でそれが10年前倒しになったことは深刻に受け止めなければならないでしょう。


死者数(2022年5月・人口動態統計速報)

  速報値での死者数12万1473人は『推計・中位(11万6000人)』と『推計・高位(12万7000人)』の中間です。

  2022年5月の時点で「オミクロン株による感染拡大は収束」しており、“推計・中位を超える死者数” を問題視するのであれば「新型コロナ以外の要因による死亡」に目を向ける必要があると言わざるを得ないでしょう。

推計・中位の死者数との比較

  ちなみに、将来推計人口・中位の死者数と死者の報告値を比較すると以下のようになります。

  1月から3月まででマイナスが報告されているのは「暖冬」で説明することが可能です。

  その一方で大きなプラスとなっている時期(2021年5・6月、2021年8月・9月、2022年2・3月)は高齢者へのワクチン接種のピークと重複しています。これが「偶然の一致」と言い切れないことが反ワクチン派を勢い付けているのでしょう。



  日本で採られているコロナ対策で問題視しなければならないのは「コロナ対策による少子化の加速」です。フランスでは「新型コロナワクチン接種後の月経変化」が問題視され、調査が始まったと AFP 通信が報じています。

  「現役世代や子供たちの犠牲との引き換えで “医療や介護の関係者にとっては利用価値の高い高齢者の命” を守る意味があるのか」を医療従事者や介護従事者に記録が残る形で明言させる必要があるのではないでしょうか。