高齢化で毎年2万人ずつ死者が増える日本の実情を無視し、「コロナ対策を止めると高齢者が大量死する」と数字も出さずに煽る西浦博氏

  2020年春に「何もしなければ新型コロナで42万人が死亡」すると煽った西浦博氏が「コロナ対策を止めると大量の高齢者が死ぬ」と懲りずに buzzfeed で主張しています。

  未だに西浦氏を重用しているのは記事の執筆者である岩永直子氏ぐらいでしょう。

  予測を大外ししてメンツが丸潰れになった西浦氏は「予想される死者数」にも言及しなくなったのです。“予測値を出すことすらできない専門家” はお払い箱にすべきでしょう。


2022年に146万人の死亡が予測されている日本

  “西浦氏のスポークスマン” と化している岩永氏が知るべきは「日本の将来推計人口」でしょう。

  国立社会保障・人口問題研究所が将来推計人口を発表しており、最新版は2017年版です。この推計・中位が『国の社会保障制度』を決める基準となっています。

  『将来推計人口で記された死者数』と『実際の死者数を示す厚労省の人口動態統計』をグラフ化すると以下のようになります。

  西浦氏が「何もしなければ新型コロナで42万人が死ぬ」と煽った2020年に予測された年間死者数は141万人でしたが、実際は前年を下回る137万人でした。

  高齢化で死者数が毎年2万人ずつ増加している日本で「死者数の前年割れ」は異常です。

  この指摘ができない時点で岩永氏のジャーナリストとしての能力が疑われるのは止むを得ません。しかも、2020年に記録した『超過生存分』は解消されていないのです。

  したがって、146万人の死亡が予想される2022年の年間死者数が「150万人弱」になったとしても『超過生存分』が “清算” されたに過ぎないのです。


75歳以上の後期高齢者は “現役世代が支払った保険料” から「防衛費を上回る約7兆円」を毎年使用している

  次に、西浦氏は「高齢者の命が失われても良いのか」と脅しをかけていますが、高齢者の窓口負担率を1割で済ませる後期高齢者医療制度のために現役世代が約7兆円の保険料負担を強いられていることを無視しているのは醜悪です。

  財務省・財政制度分科会に提出された資料(PDF)で現役世代の負担は6.9兆円と明記されています。

  しかも、後期高齢者医療制度で使われる医療費の半分は国の負担です。“国の負担” は税金が原資ですから「現役世代の納税」か「将来世代名義での国債発行」が財源です。

  生産性がマイナスである医療に対し、赤字国債を発行してまで “生産性のマイナス分の大きい高齢者” を延命させる合理性は社会や経済にはありません

  そうしたいのは「医療行為をすればするほど診療報酬を得られる立場の医療従事者だけ」です。

  高齢者はタダ同然で医療を受けることができますし、医療従事者は医療費の請求を患者ではない現役世代や将来世代から確実に回収できることで利害が一致しているのです。

  したがって、医療関係者によって利用価値がある『高齢者の命』を守るよう詭弁を吐く人物が後を絶たないことは想定内と言えるでしょう。


老衰による死者は毎年1万人ずつ(毎月1000〜2000人)のペースで増加中

  余談ですが、死因が老衰の死者数は毎年1万人ずつのペースで増加中であることが人口動態統計から確認することが可能です。「前年同月と比較した老衰による死者数の増減値」をグラフにすると以下のようになります。

  老衰は「所見で異常が確認されない死亡」との位置付けで統計上の分類が行われています。

  新型コロナが高齢者にとって致命的なら『老衰による死者数』が『(新型コロナが引き起こす)肺炎による死者数』に付け替えられているはずですが、その兆候を統計から確認することはできません。

  そのため、西浦氏が主張する「コロナ対策を止めると大量の高齢者が(新型コロナで)死亡する」との事態に見舞われることはないと言えます。

  そもそも現在の『コロナ死』は死因が新型コロナでなくても計上されている「水増し値」なのです。

  「予測値」や「確率」を用いた警鐘を鳴らせない専門家の “予言” は霊感商法と変わりありません。その片棒を担いでいる自覚のない岩永氏も西浦氏と同様にコロナ対策禍を煽った責任を問われるべきでしょう。



  西浦氏などの煽りによって始まったコロナ対策で出生数は大きく下がり、(若者を中心に)自殺者数は増加してしまいました。そうした弊害から目を逸らして「高齢者が死んでも良いのか」と脅すことは開き直りです。

  現役世代や将来世代の費用負担でコロナ対策が行われているという大前提を認識できない専門家は追放されても文句は言えないのではないでしょうか。