「世界陸上での日本選手団はN95マスク着用」の事実を忘れ、三鴨廣繁氏の『不織布マスク着用の提言』を鵜呑みにする NPB とJリーグは致命的

  日本野球機構(NPB)とJリーグが合同で開催した新型コロナ対策連絡会議で専門家から「不織布マスクを着用していない監督・コーチ陣への苦言が呈された」サンスポなどが報じています。

  この提言をしたのは三鴨廣繁氏ですですが、三鴨氏は「マスク信者」と言わざるを得ません。なぜなら、不織布マスクではなく N.95 マスクを着用して感染対策を行っていた世界陸上に参加した日本選手団が新型コロナのクラスターに見舞われたからです。

  対策の効果は根本的な部分で否定されているのですから、三鴨氏のような『対策の効果を裏付ける科学的根拠』を示すことができない “詐話師” の提言を鵜呑みにすることはビジネスに悪影響と言わざるを得ないでしょう。


N95 マスクを着用するも新型コロナの前に無力だった世界陸上の日本選手団

  三鴨氏の提言が無意味であることは世界陸上に参加した日本選手団が実証しています。なぜなら、専門家らが推奨する対策を講じるも新型コロナ陽性を理由に出場辞退に追い込まれたからです。

  日本選手団は新型コロナウイルスのワクチンを2回以上接種済み。出発時に成田空港で抗原検査(定性)を受けて陰性を確認した上で出国していた。また、出発時より感染防止対策の強化としてN95マスクの着用などを実施していた。

  『ワクチン接種』と『N95マスク着用』でも新型コロナ陽性は示されてしまうのです。『N95マスク』よりも効果が乏しい『不織布マスク』をしたところで結果は同じでしょう。

  ただ、世界陸上で有力選手が新型コロナ陽性を理由に DNS (Did Not Start, 未出場)になったとの報道はありません。そのような事態に直面していれば、大会を中継した TBS のメインパーソナリティーが残念がる姿が伝えれれているはずだからです。

  「日本選手団が『ゼロコロナの状態』を確認するために(本来は必要とされていない)PCR 検査をしたところ陽性反応者が見つけてしまって出場辞退に追い込まれてしまった」が実態でしょう。

  自業自得と言うべき対応を NPB やJリーグは反面教師にする必要があるはずです。しかし、世界陸上で “唯一” のクラスターを引き起こした日本選手団の採った対応・対策に追従するのですから『望ましい結果』を得ることは困難を極めると思われます。


業界の回し者による「口腔ケアでコロナ感染を防げる」との提言を真に受けて対策を促す NPB

  ちなみに、NPB は「マウスウォッシュには効果がある」と主張する “業界の回し者” による提言を鵜呑みにするレベルです。

  マウスウォッシュを提言したのは東京 iCDC 専門家ボードで座長を務める賀来満夫氏ですが、目立ちたがりの小池都知事が「新型コロナ対策にはマウスウォッシュが効果的」とマスコミの前で言及していないことが効果を物語っています。

  それもそのはずでマウスウォッシュは『レジリエンスジャパン推進協議会』が2021年11月に「感染症対策に資する新生活習慣の普及・促進に向けた緊急提言」に記されている項目だからです。

  賀来満夫氏は『感染症対策 新生活習慣普及促進研究会』の座長でもあります。

  これらの提言は『ウィズコロナ』ではなく『ウィズコロナ対策』を求めるものです。『ウィズコロナ対策』で「口腔ケア商品が必須」と刷り込むことが目的であり、それに騙されてしまっては『効果的な対策』を採ることは期待できないでしょう。



  2022年夏になってもプロスポーツ選手を対象にした新型コロナの積極的疫学検査や対策を行っているのは日本ぐらいでしょう。アメリカのメジャーリーグ(MLB)や欧州サッカーではコロナ対策に終止符が打たれていることが実情です。

  「感染対策をすれば新型コロナは防げる」と主張するのであれば、そのノウハウを医療機関や高齢者施設に伝授して効果を実証すべきです。

  クラスターの発生件数が2021年とは比較にならないほど増加しているのが医療機関と高齢者施設であると厚労省のデータでも示されているのです。「スポーツ分野にアドバイスをして仕事をした気になっている専門家に苦言を呈する必要がある」と言えるでしょう。