北村義浩氏の「重症者の6分の1が子供ということはなかった」とのデマ発言を拡散するツイッターユーザー

  日本医科大学の北村義浩特任教授が発した『事実誤認の情報』をツイートし、5000件を超える「いいね」を集めているツイッターアカウントが存在します。

  ツイートしている北村氏の発言内容が事実と異なるのです。このアカウントが発する『コロナ情報』には裏付けが怠ったことによるデマが紛れ込んでいるため、注意しなければならないでしょう。


北村義浩氏が『モーニングショー』で発した発言の問題箇所

  コメンテーターとして活動する北村義浩氏がテレビ朝日系列の情報番組『モーニングショー』で発言した内容で問題となるのは以下の部分です。

  東京24人の重症者のうち4人が10歳未満と10代だ。重症者の6分の1が子供。かつてこんなことはなかった。流行を一旦収めるしか方法がない

  この発言は東京都が7月27日に発表した『新型コロナウイルスに関連した患者の発生について』を基にしたものでしょう。追加情報(PDF)を確認すると重症者24名、10代以下の重症者4名と記されています。

  問題なのは「かつてこんなことはなかった」の部分です。

  新型コロナによる “過去の” 感染拡大で『10代以下の重症者数』と『10代以下が占める重症者の割合』は2022年7月27日発表分よりも悪い時期があったのです。この事実確認を怠っている時点で「煽り屋」との批判は免れないでしょう。


東京都から報告された『新型コロナによる年齢別・重症者数』

  北村義浩氏は「BA.5 による感染急拡大が起きるまで子供たちの重症例は報告されなかった」と主張したげですが、2022年4月下旬に10代以下の重症者数が5人弱で推移していることが東京都の発表から確認できるはずです。

  つまり、北村氏が発した「かつてこんなこと(≒東京都から報告された10代以下の重症者が4人に達したこと)はなかった」は事実に反することなのです。

  また、『10代以下が占める重症者の割合』についても事実誤認があります。絶対数と割合の2点で虚偽情報をテレビで流したことは問題視されなければならないでしょう。


東京都から報告された『新型コロナによる年齢別・重症者比率』

  北村義浩氏は「重症者の6人に1人が子供」と主張し、子供を盾に『コロナ対策の強化』を促しています。ただ、その前に2022年4月27日の年齢別・重症者数(PDF)を確認すべきでしょう。

  東京都基準での4月27日の重症者は15名10代以下は5名でした。つまり、重症者の3人に1人は10代以下の子供たちだったのです。

  この事実を見落としている北村氏の主張は聞くに値しないでしょう。また、その主張を鵜呑みにしてツイートしたユーザーの投稿内容も同様です。



  BA.5 による新規陽性者数の急増で『新たな行動制限』を設けるための根拠として「たまたま目についた『子供の重症例』」を持ち出しているに過ぎません。“チェリーピッキング” で新型コロナを煽る専門家やツイッターユーザーは厳しい批判を浴びるべきでしょう。