新型コロナワクチンの3回目接種(ブースター接種)時の副反応は2回目接種時と同じ頻度で発生
新型コロナワクチンの3回目接種許可申請を FDA (アメリカ食品医薬品局)に行ったファイザー社の提出資料に『3回目接種時の副反応の頻度』に対する記述がありましたので紹介いたします。
3回目接種時の副反応は「2回目接種時と同程度で発生」している状況です。そのため、日本で3回目の接種を行った場合も同様の副反応に見舞われるとの前提を持つ必要があるでしょう。
ファイザー社の治験に参加した人の属性
ファイザー社が新型コロナワクチンの3回目接種の許可申請を行った際の治験に参加した人の属性も提出資料の中で言及されています。
- 参加者: n=306
- 男女比: 男性=45.8%・女性=54.2%
- 人種: 白人=81.4%
- 民族性: 非ヒスパニック・非ラテン系=71.6%
18歳から55歳の現役世代を対象に行われた3回目接種の治験は「(ヨーロッパ系の)白人」を対象に行われたと言えるでしょう。そこで報告された副反応の発生割合は2回目接種時と同等でした。
ブースター接種(3回目接種時)の副反応
新型コロナワクチン(ファイザー製)の3回目接種を行った際に生じた副反応の割合は以下のとおりです。
- 倦怠感: 63.8% (+2.3%)
- 頭痛 : 48.4% (-5.6%)
- 筋肉痛: 39.1% (-0.2%)
副反応として最も報告数が多い『倦怠感』は数値が悪化。64% の人が訴える状況となっています。重度(= Severe)の割合は「2回目接種と同等」であり、『倦怠感』はネガティブな要素と言えるでしょう。
一方で『頭痛』は軽度で済む可能性があります。それでも「2人に1人」は頭痛で悩むことになるため、手放しに喜べないと思われます。
- 悪寒 : 29.1% (-8.7%)
- 関節痛: 25.3% (+1.5%)
- 下痢 : 8.7% (-1.3%)
- 嘔吐 : 1.7% (-0.5%)
- 発熱 : 8.7% (-7.7%)
- 解熱・鎮痛剤の使用: 46.7% (+1.5%)
3回目接種(≒ブースター接種)でポジティブな要素は「38度以上の発熱に見舞われる確率が半分程度」になっていることでしょう。
ただ、『解熱・鎮痛剤の使用』は2回目接種から微増です。「発熱などの症状に見舞われるから事前に薬を飲んでおく」との予防策を採る人がいることを考えると、『3回目接種時の副反応』は2回目接種時と大差はないと思われます。
FDA の第三者委員会は3回目接種を推奨せず
なお、現地9月17日に開かれた FDA の第三者委員会で「16歳から65歳を対象にした追加接種は推奨しない」と採決しています。
推奨に至らなかった理由は「追加接種の必要性を示すデータが不足」との見解が示されたからです。
一方で『65歳以上』や『重症化リスクの高い人』への追加接種は全会一致で推奨されています。日本が追加接種を追従するにしても、『新型コロナ罹患時のハイリスク群』に限定するべきでしょう。
日本は「アメリカよりも新型コロナの感染状況が軽微」で「ワクチン接種時の副反応は深刻」なのです。この事実を踏まえた上で合理的なコロナ対策を採る必要があると思われます。