「オミクロン株は9割以上が無症状か軽症」と1月6日開催の厚労省アドバイザリーボードで示される

  オミクロン株による感染拡大が2022年の初頭から日本で報告されていますが、1月6日に開催された厚労省・アドバイザリーボードで「患者の 90% 超は無症状か軽症」と報告されていましたので紹介いたします。

  “入院が必要ではない陽性反応者” を「念のため」との理由で入院させれば病床逼迫が起きるのは当たり前です。『陽性反応者数至上主義』に陥らないように注意する必要があるでしょう。


アドバイザリーボードで示された「オミクロン株の感染者の 90% 超は無症状か軽症」

  「オミクロン株の毒性が下がっている」と言える根拠は日本の症例からも言えます。その根拠となる資料は1月6日に行われた第66回・厚労省アドバイザリーボードに掲載されているからです。

根拠の1つが『資料 2-3: HER-SYS データ(PDF)』で、もう1つが沖縄県の報告例がまとめられた高山義浩氏の提出資料(PDF)です。それらをグラフ化すると以下のようになります。

オミクロン株の症状 【2022年1月6日発表分】

  外側の円が『HER-SYS に登録された症例』で、内側が『沖縄県からの報告症例』です。

  どちらも無症状者と軽症者が全体の9割を超えています。ただ、高山氏の資料には注釈として「沖縄ではオミクロン株が主体(=報告症例はデルタ株の患者も含まれる)」と記載されています。

  したがって、『オミクロン株による陽性反応者』のみに対象を限定すると『HER-SYS に登録された症例』と同様の割合(=無症状者や軽症者が全体の 95% 超)に近づくことになると思われます。

オミクロン株の症状 【表: 2022年1月6日発表分】

  なお、絶対値と割合は下表のとおりです。

沖縄県
(高山氏の提出資料)
HER-SYS
重症 00% 00%
中等症2 253.7% 00%
中等症1 274.0% 10.5%
軽症
無症状
62392.3% 19199.5%

  沖縄県で 92.3% が無症状か軽症なのです。どれだけ感染が拡大しようと「軽症」は軽症以下であり、軽症患者を入院させて費用を “健康な他人” に請求する現行制度は速やかに改正すべきでしょう。


「オミクロン株の感染拡大で重症者と死者は増える」と主張する高橋宏和氏

  一方、『カエル先生』と名乗って活動する神経内科医の高橋宏和氏は「重症者と死者は遅行指数で(第5波までと同様に)オミクロン株でも増える」とツイートしています。

  高橋宏和氏は「3周遅れ」と批判していますが、氏の主張は「2年遅れ」と揶揄されることでしょう。『オミクロン株の感染拡大』が確認された南アフリカ(・ハウテン州)やイギリスでは死者数は増えていない事実があるからです。

  「デルタ株による感染拡大が起きた2021年夏に匹敵する重症者や死者がオミクロン株でも発生したのか」の “暫定的な答え合わせ” は2月上旬にできるでしょう。時期が来れば確認したいと思います。