【大阪府】 新型コロナの重症化率および死者数(2021年9月11日時点)

  大阪府から報告された新型コロナ罹患による年齢別・重症化率や死者数をグラフ化しましたので紹介いたします。数値は大阪府の発表から算出したものです。

  2021年9月11日までに報告された「重症化率」、「新規重症者数」、「死者数」などは以下のとおりです。


新型コロナによる年齢別・重症化率の推移(7日間平均)

  先週と比較して新規陽性者数が減少したため、『新規重症者の報告数』が先週と同程度だった50代から70代の重症化率が上昇する結果となっています。

  ただ、この重症化率の上昇は今年2月の第3波収束でも見られたことです。したがって、新規陽性者数が減少中のフェーズにおいて『重症化率の上昇』は大きな意味を持つことはありません。

新型コロナの新規重症者数

  先週の9月4日までの1週間では「60代以上の高齢者は1日5人ほどの新規重症者が発生」という状況でしたが、今週は7日から10日にかけて「60代以上の高齢者から新規重症者が1日10人ほど発生」となっています。これが重症化率を押し上げた要因でしょう。

  入院中の重症者数は「280名弱」で横ばいとなっています。

  9月に入ってからは新規陽性者数が減少に転じているため、高齢者施設内でカラオケ大会を連日開催するなどの感染拡大行為を繰り返し行わない限り新規重症者数が増加する見込みはほとんどないと言える状況にあります。

新型コロナによる死亡日別の死者数

  大阪府での新型コロナによる死者は「60代以上の高齢者」が大部分です。80歳超が中心であり、後期高齢者が警戒すべき疾病と言えるでしょう。

  (複数の基礎疾患を有する)10代後半の男性が1人亡くなった事例で持ち出して「子供たちを守る対策を」と主張する人も散見されましたが、その必要がないことは統計で示されていることに留意する必要があります。

  また、東京と比較すると第5波では大阪の方が『人口あたりの死者数』が少ない状況です。どちらもデルタ株による感染だった訳ですから、この謎の解明に挑む専門家がいるかも注目点になるでしょう。


参考

  • 第4波(のピーク時:4月25日 〜 5月1日)
    • 70代 ー 新規陽性者53.3人、重症化率10.56%
    • 60代 ー 新規陽性者66.6人、重症化率8.37%
    • 50代 ー 新規陽性者90.9人、重症化率4.98%
    • 40代 ー 新規陽性者91.6人、重症化率1.5%
  • 現時点(9月5日 〜 11日)
    • 70代 ー 新規陽性者25.5人、重症化率6.55%
    • 60代 ー 新規陽性者42.6人、重症化率7.77%
    • 50代 ー 新規陽性者91.4人、重症化率4.77%
    • 40代 ー 新規陽性者125.7 人、重症化率2.60%
    • 30代 ー 新規陽性者177.1人、重症化率0.39%
    • 20代 ー 新規陽性者237人、重症化率0.09%

  * 新規陽性者数は人口10万人あたりの数値

  全年齢層で新規陽性者の絶対数が減少しているため、母数が小さくなった重症化率が上昇する結果になっています。収束に向かうフェーズでこのような動きが生じることは想定内であり、驚く必要はないでしょう。