人口動態統計速報(2022年3月): 先月と同様に「過去2年の超過生存を清算する死者数」と「推計・低位に近い出生数」が報告される

  厚生労働省が人口動態統計・速報の2022年3月分を発表していましたので紹介いたします。

  出生数は『推計・低位』に近い約6万5000人でした。少子化の進行が深刻になっているおり、コロナ対策を維持して少子化が加速しては社会を維持することは困難になるでしょう。

  一方、2022年3月分の死者数は13万9571人でした。対前年同月比で +12.9% と大幅増を記録していますが、2021年3月は『推計・低位』の死者数でした。その “清算” が行われたことに留意する必要もあります。


出生数(2022年3月・人口動態統計速報)

  2022年3月の出生数は速報値で6万5313人でした。これは昨年3月の出生数から -6% と大きな落ち込みを記録しています。

  1月から3月までの合計出生数は昨年と同水準なのです。2021年の1月と2月は『推計・低位』をも下回る深刻な状況であり、それを同水準であることは少子化が加速していることを意味している認識を政治家が持たなければならないと言えるでしょう。


死者数(2022年3月・人口動態統計速報)

  2022年3月の死者数は先月と同様に『推計・高位』を上回る数値が報告されています。

  ただ、3月の死者数は暖冬だった2020年と2021年は『推計・低位』だったのです。それを “清算” する形で『推計・高位』の数値を1年記録しただけですから、中長期で見た場合の影響はほとんどありません。

  新型コロナによって「子育て世代」や「子供たち」の死者数が増加しているのであれば対策は必要と言えるでしょう。

  しかし、子育て世代や子供たちを追い込んでいる原因が『新型コロナ対策』なのです。「子育て世代などの現役世代や子供たち」を犠牲にして社会保障の受益者である高齢者と医療制度を守ろうとしているのですから日本の衰退は加速することになると思われます。