政府が「重症化率 0.01% にも満たない若者」に接種を求めるも、“3回目接種率ほぼ 100% の巨人軍” がクラスターに見舞われる

  松野博一官房長官が7月20日の記者会見で「若者でも重症化するケースがあるので速やかな3回目接種を」と呼びかけたと時事通信などが報じています。

  この政府からの要請で動く若年層はいないでしょう。なぜなら、20代や30代などの若者層が新型コロナで重症化する確率は 0.01% にも満たない水準であることが大阪府の発表値から算出することが可能です。

  また、2022年3月末のプロ野球開幕に合わせて新型コロナワクチンの3回目接種率を 100% に近い状態にして臨んだ読売ジャイアンツは7月19日と20日の2日間で60人弱のコロナ陽性者が発生しました。

  それに人口比での新規陽性者数は『ワクチン3回目接種者』の方が『未接種者』よりも多いことが厚労省のアドバイザリーボードで示されているのです。コロナ対策の問題点を修正できない政府や専門家が若年層をスケープゴートにすることは即座に止めなければなりません。


新型コロナによる年齢別・重症化率の推移(7日間平均)

  政府やマスコミが積極的に言及しないのは「年齢別の重症化率」でしょう。重症化率を求めるのは『新規陽性者数』と『新規重症者数』が必要ですが、それを公表しているのは大阪府のみの状況です。

  大阪府の発表値から『新型コロナによる重症化率』をグラフ化すると以下のようになります。

  20代や30代などの若年層の重症化率は7日間平均で 0.01% です。

  「若者も重症化する可能性がある」との主張は間違いではありませんが、若年層が新型コロナ罹患によって重症化する可能性はほぼゼロなのです。年代別の重症化率に言及しない政治家や専門家が促すワクチン接種には慎重になるべきでしょう。


オミクロン株よりも重症化率がさらに減少した BA.5

  なお、7日間平均ではなく1つの変異株での重症化率は以下のとおりです。

  オミクロン株による感染拡大が日本で発生した2021年12月末からの14週間での重症化率は最も高い70代で 1.3%。全体では 0.13% に留まりました。

  ちなみに30代だと(グラフが潰れていて読み取りにくいのですが)0.007% です。

  2022年7月以降に感染拡大が本格化した BA.5 などの変異株では70代や80代以上であっても重症化率が 0.2% ほどと季節性インフルエンザの重症化率を下回っています

  7月13日に開催された第90回・新型コロナ感染対策アドバイザリーボード(資料: PDF)で「季節性インフルエンザの60歳以上の重症化率は 0.79%」と明記されているのです。

  季節性インフルエンザよりもリスクの低い疾病に『インフルエンザ以上の対策』を行う合理的根拠は存在しません。未だにコロナ対策を要求する専門家は「補助金に集るだけの穀潰し」として追放されるべきでしょう。


3回目接種を完了していた巨人軍がクラスターに見舞われる皮肉

  新型コロナワクチンの3回目接種を促す政府や専門家にとって皮肉なのは「3回目接種をほぼ完了させていた読売ジャイアンツがクラスターに見舞われたこと」です。

  プロ野球の巨人軍は7月19日と20日の2日間で57名の新型コロナ陽性者が確認されたのですが、巨人軍は3月中旬までにチームの9割が3回目接種を完了して開幕に臨むと日本テレビが報じていたからです。

  チームは来月14日までに、2軍、3軍のメンバーも合わせ9割を超える約280人が3回目接種を完了する予定。万全の状態で、25日の開幕に臨むとしています。

  NPB は斎藤コミッショナーが「3回目接種率は球団によってバラつきがある」と今年5月の時点で発言しており、12球団全体での3回目接種率は 52.3% でした。

  3回目接種に感染抑止効果があるのであれば、“3回目接種率がほぼ 100% の巨人軍” がクラスターに見舞われることはなかったでしょう。なぜなら、12球団全体の3回目接種率を 50% 強にまで引き下げる要因となっている他球団で数十人単位の陽性者が確認されているはずだからです。

  無症状者を積極的な検査で炙り出して興行が不成立になりつつある状況に直面しているのですから本末転倒と言わざるを得ません。


3回目接種者と未接種者の人口あたりの新型コロナ新規陽性者数

  ちなみに、厚労省のアドバイザリーボードで報告されている『ワクチン未接種者の人口10万人あたりの新規陽性者数』と『ワクチン3回目接種者の人口10万人あたりの新規陽性者数』を比較したグラフが以下です。

  2022年7月21日時点で報告されているのは「(BA.5 による感染拡大が本格化する寸前の)7月3日までの週別の新規陽性者数」ですが、7月初旬の段階で『ワクチン3回目接種者』の方が『ワクチン未接種者』よりも陽性反応を示しやすい年齢層が発生しているのです。

  また、ワクチン未接種者の絶対数が10万人に満たない80代を除く年齢層で『ワクチン3回目接種者』の数値が悪化していることは特筆事項と言えるでしょう。

  3回目接種は半年も経たない内に「逆効果」が顕著に現れてしまうのです。重症化率が季節性インフルエンザ未満となっているのですから、4ヶ月後には陽性反応を示しやすくなるワクチン接種を全国に推奨することは愚行との指摘も出てくるはずです。



  ワクチン接種希望者が自己負担で新型コロナワクチンを接種することに文句を言うのは『反ワクチン原理主義者』ぐらいでしょう。

  一方で “重症化率が季節性インフルエンザ未満の疾病” に対するワクチン接種を全国民に呼びかけるのは『コロナワクチン原理主義者』と言わざるを得ません。

  「ワクチンの在庫処分を行いたい政府」と「ワクチン接種による診療報酬を得たい医療関係者」の利害は一致しているため、世間からの突き上げが激しくならない限り意味のないワクチン接種の呼びかけが続くことになると思われます。