【イスラエル】 過去最悪の死者数を記録し、オミクロン株による感染拡大は収束へ(2022年3月4日時点)

  イスラエル保健省がダッシュボードで報告している新型コロナの新規陽性者数・重症者数・死者数などをグラフ化しましたので紹介いたします。

  グラフ化の対象は「2022年3月4日まで」です。

  オミクロン株による感染拡大で「過去最悪の死者数」を記録したのです。「(4回目の)ワクチン接種に効果を見出すことは難しい」と言わざるを得ないでしょう。なぜなら、途上国を中心に新型コロナワクチンのブースター接種率が低い国での死者数は深刻ではないからです。

  また、“3回目の接種率が日本よりも高い韓国” でも『オミクロン株』による感染拡大で「過去最悪の死者数」となっています。現実を受け入れる必要があるでしょう。


死者数(7日間平均)の推移

  新型コロナによる死者数は「2022年2月上旬に『死者の7日間平均値』が60人超」を記録し、過去最悪だった昨年1月の水準を上回っています。

  致死率(=陽性者数に占める死者の割合)は 1% を大きく下回る水準であるものの、絶対数が過去最悪となった現実はネガティブと言わざるを得ません。

  一方で2月下旬以降での『死者の報告数』が低下していることがポジティブな点です。「昨年の水準」にまで減少しており、収束は近いと言えるでしょう。


重症者数の推移

  イスラエルでの『入院中の重症者数』も過去最悪を記録しました。しかし、数値は “瞬間的な” もので、2月下旬には「昨年よりも少ない重症者数」となっています。

  新規陽性者数が減少を続けているため、新規重症者も減少している状況にあります。したがって、イスラエルの状況は急速に改善して行くことになるでしょう。


新規陽性者数と実効再生産数Rの推移

  イスラエルでの新型コロナによる新規陽性者数は「1月23日がピーク」で、1月末以降は R<1 が続いています。ただ、ピーク時の新規陽性者数が「1日で約8万5000人」と多かったことが重症者や死者の増加を招いたと考えられます。

  一方で “イスラエルの1.5倍の人口を擁する東京都” ではオミクロン株による感染拡大時での新規陽性者数の最大値は「1日で2万人」でした。

  「“感染する可能性がある人物” が感染するまで感染拡大は止まらない」が事実だと仮定すると、新規陽性者数が少ない東京都での『感染者の減少ペース』が落ちないのは必然と言えるでしょう。



  なお、イスラエルは新型コロナワクチンの4回目接種をして『オミクロン株』と対峙しましたが、結果は「過去最悪の症例数を新規陽性者・重症者・死者で記録」となりました。ワクチン万能論からの転換は不可避なのではないでしょうか。