【イスラエル】 新型コロナの新規陽性者・重症者数・死者数などの推移(2021年9月25日時点)

  イスラエル保健省がダッシュボードで報告している新型コロナの新規陽性者数・重症者数・死者数などをグラフ化しましたので紹介いたします。

  グラフ化の対象は「2021年9月25日まで」です。

  『入院中の重症者数』は「700人前後で横ばい」となっているものの、『新規陽性者数』や『死者数』は「9月中旬以降は減少の傾向」にあります。そのため、『新規陽性者の絶対数』が先行指標になると考えられます。


重症者数の推移

  イスラエルでの『入院中の重症者数』は「700人前後で推移」しており、8月初旬からの新型コロナワクチンの3回目接種による効果が出ていると断言しにくい状況です。

  現状は『新規重症者数』と『重症から(回復または死亡で)脱する人の数』が同じなのです。『後者の数値』は「9月上旬と大差はない」と考えられるため、重症者が発生し続けている(と思われる)状況を楽観視することは現時点ではできないでしょう。


死者数(7日間平均)の推移

  一方で『死者数』は減少の傾向が読み取れます。

  『入院中の重症者数』が「横ばい」の状況で『死者数』は「減少」しているのです。これは「重症から回復した人の割合が増えている」ことを意味しており、この事実はポジティブな要素です。

  重症の程度が深刻でなければ “死の危機” を脱する可能性は高くなります。したがって、重症化リスクが大きい高齢者や基礎疾患を有する人は『自らの命』を守るためにも新型コロナワクチン接種を考えるべきでしょう。


新規陽性者数と実効再生産数

  イスラエルでの実効再生産数Rは「8月下旬から減少」が続いています。東京都と比較すると「0.2〜0.3 ほど高い水準」ではあるものの、減少傾向であることは同じです。

  9月上旬に実効再生産数Rが大きく変動しているのは「ユダヤ新年があったから」です。9月21日から28日までは「仮庵祭」による祝日で新規陽性者数が普段とは異なる報告数となっています。

  とは言え、平日での新規陽性者数が減少している様子はグラフを見れば明らかですが、「絶対数で東京都の10倍」という水準です。今年10月にイスラエルで新規陽性者数がリバウンドしないなら、東京でリバウンドが起きることはないでしょう。


参考

人口10万人あたりの週別新規陽性者・死者(2021年5月30日〜)

  厚生労働省が発表している日本を含む主要国での新型コロナ感染状況から作成した『人口あたりの新規陽性者数と死者数』の推移は以下のとおりです。

  『ワクチン接種先進国』と持ち上げられている国は「新規陽性者数が高い水準」にある中で、東京都(≒日本)は「2021年6月初旬と変わらない水準」です。

  イスラエルは新規陽性者数が「イギリスの1.5〜2倍」となる期間が続いており、それを理由にした制限を設けることは理解されるでしょう。その一方で “米英よりも新規陽性者数が1桁少ない日本” が『それらの国々での感染対策』を採用する必要はありません。

  他国の状況を注視し、感染対策として提供されている手法をシビアに評価した上で “自国に最も適した対策” を採ることが重要となるでしょう。