人口動態統計速報(2022年4月): 出生数が前年同月より -10%、死者数は『推計・中位』に近い数値に留まる

  厚生労働省が人口動態統計・速報の2022年4月分を発表していましたので紹介いたします。

  2022年4月の出生数は速報値で前年より -10.6% の6万3000人でした。コロナ対策の弊害として「少子化の進行」がありますが、それが鮮明になったと言わざるを得ないでしょう。

  その一方で2022年4月の死者数は12万1800人でした。この数値は『4月の死者数』としては『推計・中位』に近いものであり、「懸念する必要のない」と言えるでしょう。


出生数(2022年4月・人口動態統計速報)

  2022年4月の出生数は速報値で6万3000人でした。将来人口の推計・低値での出生数(6万400人)よりも多い数値ですが、概数値は速報値よりも少なくなります。

  したがって、確定値は『推計・低値』とほぼ同数になるでしょう。

  また、1月から4月までの累計出生数は2021年よりも -3.1% です。「出生数の80万人割れ」は推計・中位では2023年に起きると予想されていたことであり、コロナ対策禍で「10年前倒し」になったことは深刻と言わざるを得ません。

年間出生数と婚姻数の推移


死者数(2022年4月・人口動態統計速報)

  2022年4月の死者数は速報値で12万1800人でした。将来人口の推計・中位での死者数が11万9000人であり、「例年どおりの死者数」と言うことができるでしょう。

  4月の死者数に関しては「2020年4月の死者数」が『推計・中位』よりも2000人少なく、「2022年4月の死者数』が速報値で『推計・中位』よりも2800人ほど多い状況でした。

  「2021年4月の死者数」は『推計・中位』と同数ですから、死者数の “清算” が行われたと見るべきでしょう。

  寿命が訪れた高齢者が死亡するのは自然の摂理であり、それに抗うために現役世代や将来世代を犠牲にすることは本末転倒と認識する必要があります。