「感染者増で医療逼迫する」と主張する医師らは「変異株が現れる度に新規重症者数は減少」とのデータを説明すべき

  「新型コロナの感染が拡大すると患者数が増えて医療逼迫が起きる」と主張し、新型コロナ対策の継続を訴える医師などが散見されます。ただ、この主張は事実ではありません。

  なぜなら、新規重症者数を発表している大阪府のデータを確認すると「変異株が出現する毎に(新規陽性者数は過去最高を記録するものの)新規重症者の絶対数は減っている」ことが判明するからです。

  新規重症者数が減っているのですから、「感染拡大で医療逼迫が起きる」との主張は誤りです。間違った対策の継続を訴えるのは「対策が継続されることで得られる恩恵が大きい」という利己的な要因と言わざるを得ないでしょう。


「感染者が増えれば医療逼迫が起きる」と主張する医師アカウントの事例

  「新型コロナの感染拡大で医療逼迫が生じると不利益が生じる」との主張の実例が以下のツイートでしょう。

  ただし、このツイートには “ツッコミ” を入れる点が存在します。それは陽性者と死者数を基に医療逼迫が起きると主張しているからです。

  日本での『コロナ死』は「新型コロナ陽性反応中の死亡例」が死因に関係なく報告されており、死後に採取した検体が陽性を示したことを理由に『コロナ死』に計上されるケースもあります。

  したがって、医療逼迫が起きているかは『医療介入が必要な患者の人数』から測定されるべきであり、死者数を根拠にするのは不適切と言わざるを得ないでしょう。


大阪府から報告された新型コロナによる新規重症者数

  新型コロナの感染拡大で医療逼迫が起きているかは『新規重症者数』で確認すれば良いことです。なぜなら、重症者は “医療による介入が本当に必要な患者” だからです。

  大阪府が発表している『新型コロナの発生状況』から抽出した『新型コロナによる新規重症者数』の推移は以下のとおりです。

  新規重症者数を公表している大阪府のデータでは新規重症者が最も多かったのは「2021年春のアルファ株」でした。2番目が「2021年夏のデルタ株」でオミクロン株の流行時に報告された新規重症者数はデルタ株よりも少ないのです。

  また、年齢別の新規重症者数は以下のとおりです。

年齢階級別の新規重症者数(大阪府)

  「新型コロナは変異が起きる度に毒性が弱まっている」と言えるでしょう。『アルファ株』による新規重症者数が最も多く、『デルタ株』や『オミクロン株』と変異が進むほど新規重症者数が減っているからです。

表: 大阪府から報告されたの新規重症者数
アルファ株
(2021/03/21
- 6/26)
デルタ株
(2021/07/11
- 10/16)
オミクロン株
(2021/12/26
- 2022/04/02)
80代超 20663239
70代 540108309
60代 406173110
50代 34831270
40代 13822440
30代 39736
全体 1694977796

  オミクロン株の感染拡大時に報告された60代以上の新規陽性者数は「アルファ株の7〜10倍」でした。

  一方で30代や40代は『デルタ株』の感染拡大時から新規陽性者は5.5倍に増加したものの、新規重症者数は「6分の1から10分の1」にまで激減しているのです。新規陽性者数で騒ぐことがナンセンスと言えるでしょう。


コロナ対策によるバブルを謳歌する医療関係者は “この世の春” が続くことを期待する

  そもそも「命が大事」と声高に主張する “一部の” 医療関係者は「平時なら助かる病気や怪我への影響をどこまで許容するか」を議論する考えはありません。「『ゼロコロナ』しか許容しない」との立場を採っているからです。

  しかも「ゼロコロナを求めたことで生じた不利益の責任を負うのか?」と問いただされると「(平時なら助かる病気や怪我への影響を)受容できるラインについての議論をしよう」との “循環論法” を繰り広げるのです。

  新型コロナ対策による補助金でバブルが到来した医療業界の提言を尊重する必要はないでしょう。医療業界は業界収入の9割を税金と保険料が占める補助金産業だからです。

  自己負担の比率が1割にすぎない後期高齢者医療制度が「不要不急」です。赤字国債を発行してまで維持する必要がないことは明らかでしょう。

  『公共』を語るのであれば、子供たちと同様に「3割負担」にするなど根本的な部分から是正する必要があるのではないでしょうか。