コロナ対策のガイドラインを制定してファンを縛った結果、平均観客動員数2万人超は浦和レッズだけのJリーグ

  5月21日に行われたサッカー・J1の浦和対鹿島戦の試合前に浦和レッズのサポーターがガイドラインに違反する応援歌を歌っていたとスポーツ紙などメディアが報じています。

  Jリーグが定めた『新型コロナ対策のガイドライン』に科学的な根拠は存在しません。“感染症対策の専門家” による「飛沫感染が原因だと思う」との意見を基にファンを縛った結果が平均観客動員数の大幅減なのです。

  平均観客動員数が2万人を超えているのが浦和レッズだけになっている現実は深刻に受け止めなければならないことでしょう。


J1に所属する主なクラブの観客動員数

  Jリーグは観客動員数を公表しており、1試合あたりの観客動員数を確認することが可能です。

  『コロナ前の2017年から2019年の3年間での1試合あたりの観客動員数』と『(人数制限が撤廃された)2022年シーズンでの1試合あたりの観客動員数』は以下のとおりです。

  コロナ前は『1試合あたりの観客動員数が2万人超』だったのは9クラブでした。

  しかし、コロナ禍で観客動員数に制限が設けられたことで状況が一変。観客動員制限が解除された2022年シーズンで『1試合あたりの観客動員数が2万人超』なのは浦和レッズのみとなっています。

  この状況は深刻と言わざるを得ません。


観客動員数の比較

  スタジアムに観客を呼び込むのはサッカーとプロ野球は同じです。JリーグNPB の「2022年シーズンの観客動員数」と「コロナ前の観客動員数との減少率」をグラフにしたものが以下です。

  『人気のセ』と言われるだけあり、セ・リーグの6球団は『コロナ前の観客動員数』と比較して -20% 弱のチームが多数派です。最も数値が悪いのがヤクルトですが、それでもJリーグとチームと同じ観客動員1万6700人(-37.6%)です。

  逆に観客動員数の減少率が少ないのはネット上で最も “悪評” を得ている阪神タイガースです。3万6765人(-12.4%)とプロ野球12球団でトップの数字を記録しています。

  「応援で声を出すな」とネット上で吠えているアカウントも4月中旬頃までは散見されましたが、大山選手が起死回生の同点ホームランを打った場面で球場から大歓声があがり、阪神ファンが「大山選手を讃えるコール」をしていたことを報じるスポーツ紙の記事すら出ない有様です。

  ガイドラインは「スタジアムに来ない部外者の気持ちを満足させるもの」という状況ですから、チケット代を払ってスタジアムに行くファンの行動を制限することはファン離れを引き起こす大きな要因になることでしょう。



  ちなみに、阪神タイガースは5月23日の時点でリーグ最下位です。その一方でセ・リーグで首位のヤクルトは「Jリーグ並みの観客動員数の減少」に見舞われている現実があります。

  スポーツは「チームの成績が観客動員数に比例する」と言われますが、観客の行動に制限を設けることは『チームの成績』よりも観客動員に深刻な影響を及ぼすことが明らかになったと言えるはずです。

  取り返しが付かなくなる前に方針転換をしなければならない状況にあるのではないでしょうか。