検査頻度を上げて『ゼロコロナ』を前提とするプロ野球、一方のメジャーは「有症状への検査のみ」に規制緩和

  選手から新型コロナ陽性者が多数発生したことを受け、NPB (日本野球機構)の井原事務局長は「検査頻度を上げて未然に防ぐ」との方針を示し、12球団から了承されたと日本テレビが報じています。

  一方、アメリカのメジャーリーグ(MLB)は規制が緩和されています。PCR 検査は「症状が現れた選手」に限られ、無症状者は検査の対象外です。興行をどれだけ重要視しているのかの差が出たと言えるでしょう。


NPB のコロナ対策(2022年)

  日テレが報じた内容は以下のとおりです。

  井原敦事務局長は楽天、DeNAで新型コロナ陽性が多く出ていることを受けて、12球団に検査頻度をあげるように提案し、受け入れられたと話しました。

  「検査頻度を高めて、多発している感染陽性、多発の事案を未然に防ぎたい」

  提案内容は、現在、1か月に1回と定められているスクリーニング検査を2週間に1回に。また、2カード以上の遠征を行う場合、遠征後に行っていた検査を、遠征の前後2回行うというもの。

  要するに、スクリーニング検査の回数を増やして「陽性反応者の早期隔離」に注力すると宣言しました。これが失敗するのは火を見るよりも明らかです。

  なぜなら、『ゼロコロナ』を達成した国は存在しないからです。

  症状によって離脱するならまだしも、無症状で強制的に隔離された選手が(練習場所の確保がままならずに)コンディションを崩しては本末転倒です。興行は “お遊び” だったと揶揄されることになるでしょう。


MLB では『コロナ規制』は緩和

  一方、日本よりも感染拡大が深刻だったアメリカでは MLB も『コロナ規制』は緩和されることが決定しています。

  The requirement for tracing wristbands that were used last year is omitted.

  Players still be will tested upon intake in 2022 but will then be tested only when showing or reporting symptoms.

  選手は2022年も PCR 検査を受けるが、検査は症状のある選手に限定されると記されています。つまり、無症状の選手は PCR 検査を受けないのです。

  新型コロナは2年前の時点から「健康な若者は症状があっても医療措置を受けることなく(ほとんどの患者が)回復していた」のです。野球選手は一般人より若く健康です。規制が緩和されるのは必然でしょう。



  野球界の対応が日米で別々になった理由は「スポーツビジネスにどれだけ本腰を入れているか」でしょう。アメリカはオーナーがビジネスとしてやっているため、ロックアウトが生じるほど “本気” です。

  一方の日本は『親会社の宣伝部門』からの脱却は道半ばのままです。したがって、“世間からの批判を受けたくない親会社” の意向が NPB に影響していると考えられるのです。

  換気が 100% の屋外球場でも「マスク着用」や「声援禁止」を求め続ければ、観客動員は伸び悩むことになるでしょう。誤った対策を是正する判断力があるかが問われているのではないでしょうか。