ファウチ首席医療顧問が「オミクロン株の毒性は低い」と初期データを基に認めるも、一部の界隈は煽りに狂奔

 アメリカ政府の首席医療顧問を務めるアンソニー・ファウチ氏が「オミクロン株はデルタ株より重篤ではない」と初期データを根拠に認めたとロイター通信などが報じています。

 この主張を覆すことができるデータは現時点で存在しないのですから結論は受け入れられるべきでしょう。

 

「オミクロン株の重症化率がデルタ株と同等」と言えるデータが存在しない

 ファウチ氏が出した「オミクロン株の毒性は低い」との結論は科学的根拠から導き出された妥当なものです。なぜなら、(オミクロン株による感染拡大が続く)南アフリカで死者数が増えていないからです。

 オミクロン株の毒性が『デルタ株に匹敵』する場合、「新規陽性者数の急増に応じて重症者数も急増したことで重症者病床が埋まり、入院待機者が続出して手遅れになる症例」が頻発していることでしょう。

 しかし、そうしたニュースはないのです。

 『新型コロナ罹患時の死亡リスクが高いカテゴリーに属する人々』からもオミクロン株に感染していると考えると、死者数が低い水準で維持している事実が「オミクロン株の毒性は低い」と主張する根拠となるのです。

 

「オミクロン株の重症化リスクが高い」と示せないなら、岸田政権などの対策は過剰である

 “手を洗う救急医” こと木下喬弘氏は「『オミクロン株の重症化リスクが低い』との情報は不確実性が高い」と三浦瑠麗氏に反論していますが、この木下氏の主張には欠陥があります。

 『オミクロン株の重症化リスクはデルタ株に匹敵する』との主張も不確実性が高いからです。

 「〜かもしれない」という可能性を根拠にした対策は過剰と言わざるを得ません。「今日の帰り道に暴漢に襲われるかもしれない(からボディーガードをあなたの金銭負担で雇っておいた)」が通用しないことと同じです。

 木下氏が『オミクロン株の重症化率は低くはない』と断定できる科学的根拠を示せるなら、それをファウチ氏に提供すべきでしょう。

 また、当初は低かった重症化率が “ある時” を境に急上昇した変異株があるなら、「『〇〇株』のようなケースも起こり得る」と具体的な事例を出して警鐘を鳴らすべきです。それができないなら「単なる煽り屋」と批判せざるを得ません。

 

「既存ワクチンのオミクロン株との相性は悪い」との指摘あり

 オミクロン株の懸念点は「既存ワクチンの接種効果をあまり期待できないこと」でしょう。エリック・トポル氏も以下のツイートをしています。

 デルタ株のスコアが 0.8 だった場合、オミクロン株では 0.2 にまで下がってしまう可能性が示唆されているのです。

 これが現実になると大問題だから「毒性(または重篤度)」に注目が集まっていたのです。ただ、これまでに得られたデータからはファウチ氏のように「毒性は低い」との結論を出さざるを得ないことは明らかです。

 異を唱えるなら相応の根拠が必要ですが、あるのは「煽り屋たちが主張する可能性」に留まっていることが実情です。しかも、その可能性を根拠にワクチン接種を副反応が生じやすい若者に求めているのですから、そちらの方が問題視されるべきでしょう。

 

 『欧米』と『日本』では新型コロナで受ける影響に「雲泥の差」があるため、『欧米の対策』を日本が追従すると過剰対策となって『コロナ対策禍』が起きてしまいます。

 「欧米のようになるかも知れないんだぞ」と煽る “出羽守” を一掃することが正常化の第1歩になるのではないでしょうか。