『脱炭素への産業転換』や『憲法9条は変更不可』と主張する公明党は立憲民主党と合併して「立憲公明党」になるべき

  公明党の竹内譲・政調会長が今夏に行われる参議院議員選挙にむけて「脱炭素へ産業構造の転換」などを街頭演説で訴えたと日経新聞が伝えています。

  また、公明党は「憲法9条の維持」を訴えており、これらの政策は自民党よりも立憲民主党に近いと言えるでしょう。したがって、政策の実現をするために『立憲公明党』として活動することも選択肢になるはずです。


竹内政調会長(公明党)が京都市の街頭演説で主張した内容

  4月30日に京都市内で街頭演説を行った竹内政調会長(公明党)が主張した内容は以下のものです。

  • 2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロに向け、産業構造を転換し、世界をリードする技術開発と実用化を進める
  • 参院選では「労働者の賃金向上、子育て・教育の負担軽減、社会保障の充実」を訴える
  • 憲法改正: 9条はいささかも変えるつもりはない
  • 防衛費: 額ありきで増やせばいいというものではない

  経済が上向く政策が何もないことが致命的です。『脱炭素』で儲かるのであれば、政府が補助金を拠出する形で産業構造の転換を促す必要はありません

  “収益を確保することに敏感な企業” が「我先に」と『脱炭素』に向けて企業構造の転換をするからです。公明党は「(現役世代や将来世代の負担で拠出した予算を使った)ばら撒きでしか有権者に還元できない政党」と自白したに等しいでしょう。


「社会保障を充実させるための予算」はどのように捻出するのか?

  公明党は自民党との連立を離脱すべきでしょう。今夏の参院選に向けて掲げる予定と報じられた公明党の政策は立憲民主党と馬が合うからです。

  高齢者の票が欲しい政党は『社会保障の充実』を訴えていますが、日本の社会保障は年間で約130兆円が投じられていることが財務省・財政制度分科会で示されています。

  ところが、2020年に民間の事業者が支払った給与総額は約220兆円であることが国税庁の『民間給与実態統計調査』で判明しています。

  令和2年12月31日現在の給与所得者数は、5,928万人(対前年比1.0%減、62万人の減少)となっている。また、令和2年中に民間の事業所が支払った給与の総額は219兆2,054億円(同5.4%減、12兆3,992億円の減少)で、源泉徴収された所得税額は10兆3,411億円(同7.2%減、7,984億円の減少)となっている。

  民間で創出された富への対価である給与額(≒ 220兆円)の半分以上を社会保障に回すことは不可能です。だから、将来世代への借金となる赤字国債で社会保障費の補填に奔走しているのが “現在の” 社会保障制度なのです。

  その社会保障をさらに充実させることが公明党などの公約なのですから、公明党が掲げる政策が実現されるほど『現役世代や将来世代の生活』は今以上に苦しくなるのは不可避と言わざるを得ません。



  経済のことを考慮しない政党は与党に相応しくありません。政府からの補助金を引き出すことに熱心であるなら、「責任ある野党」としての役割で満足すべきでしょう。

  公明党が掲げる政策の方向性は立憲民主党と不思議なほど一致しているのです。『立憲公明党』として護憲派政党に転向し、自民党と対峙した方が有権者への還元度は大きくなるのではないかと思われます。