“医療従事者は4回目接種の対象外となる新型コロナワクチン” の3回目接種を今現在も若者に勧める日本政府

  日本政府が若者に対して「自分を守り、家族や友人を守るために、3回目のワクチン接種をご検討ください」と2022年4月末の時点でも啓蒙しています。

  しかし、この主張は「騙し討ち」との批判を招く要因となるでしょう。なぜなら、2022年5月から始まる4回目接種の対象者から医療従事者が外れているからです。

  4回目接種は「3回目接種で得られた効果が薄れることを補完するため」に行われるのです。“高齢者と接する機会の多い医療従事者” が4回目接種をしないのですから、若者が3回目接種をしなくても問題にはならないでしょう。


2022年4月27日の『ワクチン分科会』で示された4回目接種の対象者

  政府や専門家の姿勢が悪質なのは4月27日に開催された『第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会』で示された4回目接種の対象者(PDF)など “重要な情報” を伏せていることです。

  • 4回目接種対象者:
    1. 60歳以上の者
    2. 18歳以上で基礎疾患を有する者、その他重症化リスクが高いと医師が認める者

  「4回目接種の対象は原則として高齢者とする諸外国の方針に追従する」との付和雷同をしているのです。科学的な視点に基づく判断が下されたとは言えません。

  なぜなら、若者に対しても “全員が” 3回目接種をする必要性すら疑われる状況で接種を呼びかけているからです。


オミクロン株では『40〜50代以下の年齢層』で中等症以上になるケースは極めて稀

  政府や専門家は「3回目接種は種類よりもスピード」と主張していますが、そもそも3回目接種の対象を全年齢にする根拠がないのです。

広島県から示されたデータ

  『第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会』で広島県から報告された「3回目接種の効果」を示す資料(PDF)が以下です。

  「高齢層では3回目接種による効果はある」と主張していますが、見落としてはならないのは「40代以下ではワクチン未接種でもオミクロン株の罹患によって『中等症 II』以上になることは極めて稀」という事実です。

  40代で『中等症 II』となる確率が 0.6%、重症化するケースは 0.0% です。

  「感染予防効果は短期間しか持続しなかったと報告されている」と言及されているワクチンを “中等症にすらならない若者” に接種する意味はありません。接種効果による恩恵を得られないからです。

大阪府から示されたデータ

  また、同様のデータ(PDF)は大阪府から第81回・新型コロナ感染対策アドバイザリーボードで示されています。

  大阪府では3回目接種済の60代以上が重症化率 0.3%、接種不明を含む未接種者の重症化率は 1.0% でした。

  ただ、40代や50代では『接種不明を含む未接種者』であっても重症化率は 0.1% なのです。就学児以下の重症者7名は「全員が基礎疾患持ち」であり、健康な若者は3回目接種をする必要はないと言わざるを得ないでしょう。



  これまでは『抗体値の高さ』を「感染予防効果を示す根拠」として “すべての年齢層” に新型コロナワクチンの接種を推奨して来たのです。これは3回目接種でも4回目接種でも変わりません。

  接種を推奨する根拠を変えることになるのですから、「これまでの政策には誤りがあった」と認めるべきでしょう。それをしないと効果が実証済のワクチンや政治・医療への不信感が増大することになるからです。