厚労省がノババックス製の新型コロナワクチンを承認、1億5000万回分の購入契約で在庫がダブつく事態に

  厚生労働省は2022年4月19日付でノババックス製の新型コロナワクチンを承認したと発表いたしました。

  ファイザー製などの『mRNA ワクチン』とは異なるタイプの『組み換えたんぱくワクチン』であるため、アレルギーが原因で『mRNA ワクチン』を接種できなかった人には朗報でしょう。

  しかし、恩恵を受ける人があまりに少ないことが実情のです。接種効果や副反応の発生率における優勢は確認されておらず、1億5000万回分の購入契約が重荷になると考えられます。


ノババックス製の新型コロナワクチンを大歓迎するのは舘田一博氏のような立場の人物

  ノババックス製の新型コロナワクチンが承認されたことを歓迎しているであろう人物は厚労省の新型コロナ感染対策アドバイザリーボードのメンバーである舘田一博氏です。

  舘田氏は「アレルギー」を理由に『mRNA ワクチン』を接種しておらず、オミクロン株での60代の重症化率 0.4% を引き当ててしまった “不幸な人物” だからです。

  しかし、今回承認されたノババックス製のワクチンは『組み換えたんぱくワクチン』ですから舘田氏は接種することが可能です。

  専門医は「新型コロナに感染しても回復後にワクチン接種をすべき」と呼びかけて来たのですから、舘田氏は有言実行をすることが責務となります。


河野ワクチン担当相の時に契約した「1億5000万回分のワクチン」をどうするのか

  なぜ、舘田氏がノババックス製のワクチン接種をしなければならないかと言いますと、1億5000万回分の購入契約が “1年前の時点で” 締結済だからです。

  財務省の財政制度分科会が「ワクチン確保の費用対効果を考えるべき」と苦言を呈した資料(PDF)から2021年5月14日に「2022年度分として1億5000万回分のワクチン確保」をしていることが確認できます。

  ここで問題となるのは「ファイザー・モデルナ・アストラゼネカのワクチン使用率がどうなる想定で購入を決定したのか」です。

  これらの3社が供給するワクチンだけで成人分を上回るワクチンが確保されていたのです。先行する3社のワクチン接種効果が「期待どおり」なら、後発のノババックスに出る幕はありません。

  2021年5月末はイスラエルで新規陽性者の報告数がほぼゼロにまで低下したことを受け、一部の医師らが「人類の勝利」や「2回接種で終身免疫が得られる」などと声高に主張していた時期でもあるのです。

  そのような主張を展開していた『こびナビ』からの “説明” を当時のワクチン担当相だった河野太郎氏も受けた上で同様の主張を展開していたのです。ノババックスの購入分をどのような意図で活用する考えだったのかの説明は果たすべきでしょう。