“ワクチンの在庫処分に悩む政府” と “ワクチン接種で報酬を得る医療” は『若者(や子供)への3回目接種』で利害が一致する
4月7日に首相官邸で記者会見を行った岸田首相が「若者の含めて新型コロナワクチンの3回目接種を早めに受けて欲しい」と呼びかけています。
ただ、3回目接種に関しては消極的になる人が増えると予想されます。ワクチン接種をしても日常生活は戻されず、接種の費用対効果が見合わなかったことが大きな理由です。
「4回目接種分の在庫を抱える政府」と「接種回数によるインセンティブを得る医療関係者」が『ワクチン接種』を呼びかけ続けると思われます。
3回目接種で感染防止効果が得られるなら、韓国でオミクロン株による感染爆発は起きていない
岸田首相は記者会見で「3回目のワクチン接種をすれば感染防止効果がある」と主張していますが、これは『現実のデータ』に合致しない見解です。
先ほど、専門家の方々とも意見交換をさせていただきましたが、3回目のワクチンを接種すれば感染防止に効果があり、特に、重症化を防ぐことができる。また、若い方であっても、感染した場合、重症化するリスクや後遺症が残る場合がある。こうした話がありました。御自身や親しい方々を守るために、ワクチンの種類に関わらず、3回目を早めに接種していただきますよう、改めてお願いを申し上げます。
もし、「ワクチンの種類に関係なく3回目接種が新型コロナに有効」との主張が事実であるなら、“2月1日時点で18歳以上の 61.5% が3回目接種を終えていた韓国” での『オミクロン株』による感染爆発と矛盾することになるからです。(※ 60歳以上は 85.8% が3回目接種済みだった)
また、新型コロナワクチンを接種した際の副反応も無視することはできません。弱毒化したオミクロン株では『罹患時の症状』の方が『ワクチン接種の副反応』より軽微になるケースが多々あるのです。
“(大きな変異が起きる前から)重症化するケースが稀だった若者” が新型コロナワクチン接種をするメリットは「失われたも同然」と言わざるを得ないでしょう。
日本政府は「全国民が4回目接種をするだけの新型コロナワクチン」を確保済
なぜ、接種効果が極めて薄い若者(や子供たち)にまで新型コロナワクチンの3回目接種が勧められているかと言いますと、日本政府は全国民が4回目接種をするために必要なワクチンの購入契約を締結していまっているからです。
接種効果が乏しければ「損切り」が選択肢になるはずですが、それができないのが日本の行政です。理由は「厚労省のアドバイザリーボードに参加する感染症専門医(や事務局である厚労官僚の)判断ミス」を認めることになるからです。
ミスは減点評価の対象なのですから、専門家は「ミスではない」と詭弁を呈して取り繕う醜態をさらすことになります。そのような専門家を放置したままなのが日本で『コロナ対策禍』が起きている原因なのです。
若者が積極的に新型コロナワクチンを接種すれば「政府」と「医療業界」のメンツは保たれる
『欧米のワクチン接種先行国』では(ワクチン接種を含む)コロナ対策の終了を表明し、サンクコストを受け入れ始めています。しかし、日本はサンクコストの計上を認めようとはせず、何とか活用できないかと手段を模索しています。
そこで編み出されたのが『若者に3回目接種をさせる』というものです。これは「政府」と「医療業界」の利害が一致する解決策だからです。
- 若者(や子供たち)が3回目接種をすることで
- 政府:購入済みの新型コロナワクチンを消費(+)
- 医療業界:ワクチン接種による診療報酬を獲得(+)
- 若者&子供:副反応や副作用のリスクを背負う(ー)
- 若者(や子供たち)が3回目接種を控えると
- 政府:ダブ付き分だけ「無駄な支出」との批判(ー)
- 医療業界:接種回数が減った分だけ診療報酬が減少(ー)
- 若者&子供:ワクチン接種の弊害を回避(+)
ワクチン接種の損害である副反応や副作用のリスクを背負うのは “接種をした若者自身” であり、政府や接種を行なった医師ではありません。だから、尾身氏のように「若者にもワクチン接種は有効」といい加減なことを言う専門家が後を絶たないのです。
また、政府も専門家が初期の頃にシナリオとして提示した「若者が感染を広げる」とのストーリーに基づく対策を続けており、“感染予防効果の乏しいワクチン” の『集団接種』を岸田首相自らが口にする有様です。
特に、若い世代の方々に接種を受けていただくことが重要です。そのための取組として、自治体と大学等が連携し、予約に空きのある自治体の大規模接種会場等を活用して、学生への集団接種を促進いたします。その際生じた費用を国が支援いたします。
新型コロナワクチンは『新型コロナによる感染被害を軽減するための手段』の1つに過ぎないのです。接種効果の薄い若者や子供にワクチンを接種することが『目的』となっては本末転倒と言わざるを得ないでしょう。
東京都の新規陽性者数は「R=1」へと近づきつつある
最後に東京都から報告された新型コロナの新規陽性者数と実効再生産数Rの推移を紹介します。
3月末から実効再生産数Rが1を超えたことで「感染拡大」を騒ぎ出す専門家が現れましたが、今週半ばの4月6日からは R=1 前後で推移している状況です。
オミクロン株による感染拡大では「感染拡大の原因」として槍玉にあげられた「10代以下の子供たち」は記録した実効再生産数Rは「65歳以上の高齢者が記録した実効再生産数Rよりも低い」のです。
したがって、専門家は数ヶ月前に「子供たちが感染を広げている」と主張した自分たちのことを棚に上げ、「若者が感染を広げている」との『以前の主張』を持ち出した煽ることでしょう。
ちなみに、日本よりも一足先に感染拡大が起きたイスラエルでの新規陽性者数および実効再生産数Rの推移は以下のとおりです。
イスラエルでは3月下旬に R=1.2 まで上昇したものの、4月に入ってからは R<1 で推移しています。この前例が日本に当てはまる可能性があるため、専門家の煽りを鵜呑みにすべきではありません。
ワクチンの接種効果は専門家が声高に主張するほどは見込めないのです。『現実のデータ』を踏まえた判断を政治家がする必要があるのではないでしょうか。