人口動態統計・速報:2022年1月の出生数は「前年比 -14.6% だった2021年1月から +6.0%」を記録、死者数は推計・中位の水準

  厚生労働省が人口動態統計速報の2022年1月分を発表していましたので内容を紹介いたします。

  速報値で出生数は前年同月よりも +6%、死者数は将来推計人口の中位に該当する数値と楽観視できる内容でした。ただ、2021年1月の出生数は推計・低位を下回る実数値であったため、「手放しで喜べない」と言わざるを得ないでしょう。


人口動態統計速報(2022年1月分)

  厚労省が発表した人口動態統計・速報の2022年1月分は以下のとおりです。

  少子化が進行する日本で出生数が前年同月よりも +6% となったことは普通なら楽観視することができます。ただ、“速報値では6万3742人だった出生数” が概数値では「5万7574人」だったのです。

  したがって、2022年1月の出生数(概数値)は「6万人台の前半」に留まる可能性が高いと言えるでしょう。

  一方で2022年1月の死者数は14万4000人でした。前年同月よりも +2% と増加していますが、日本は高齢化が進行中で高齢者の絶対数が増えているため想定の範囲内となっています。


出生数(2022年1月・人口動態統計速報)

月別の出生数

  2021年1月の出生数は将来推計人口・低位でも「6万4900人」の予想でした。しかし、実際には「5万7600人」と極めて深刻な落ち込みだったのです。

  2年連続での “極めて深刻な落ち込み” は回避できる見通しですが、速報値で出生数は「前年より3800人増」と報告されています。

  出生数の増加分は「概数値でも似た数値に留まる」はずです。そのため、2022年1月の概数値での出生数は「6万1000人前後」になると予想されます。

  ただ、その数値は将来推計人口・低位の「6万3000人」を下回っているのです。このことが懸念点として指摘されるのは当然と言えるでしょう。


死者数(2022年1月・人口動態統計速報)

  高齢化で高齢者の絶対数が増えている日本では「2040年頃まで死者数は毎年2万人ずつ増える」と将来推計人口で示されています。

  「2022年は『将来推計人口・中位』の水準で146万人が死亡する見通し」であり、新型コロナによる死者数を論じる際の前提として用いるべき基準が毎年変化していることに注意が必要です。

月別の死者数

  日本で報告される『全死因による死者数』は寒さの厳しい冬場に多く、毎年1月が「死者のピークです。

  2022年1月は『将来推計人口・中位』および『月別の死者比』から「14万5000人の死亡」が予想されており、人口動態統計の速報値で報告された死者数は14万4000人でした。

  死者数に関しては「2022年2月分と3月分が『将来推計人口・高位』を大きく上回る超過死亡を記録したか?」が注目点になるでしょう。なぜなら、オミクロン株による死者が大量に報告されているからです。

  『オミクロン株による死者数』が純粋に上乗せされていれば、死者の大部分を占める後期高齢者への『効果的で予算効率の優れた対策』を講じなければなりません。しかし、そうでないなら『一連のコロナ対策』は修正されなければならないからです。



  「出生数の落ち込み」や「経済の疲弊」が深刻な状況となっていますが、これらは『コロナ対策』が実施された初期の段階から弊害として指摘されていたことです。

  それが現実として示された責任は政治と医療業界が負うべきと言えるのではないでしょうか。