【東京都】新型コロナの新規陽性者・重症者数・死者数などの推移(2022年3月28日時点)

  東京都から報告された新型コロナによる『新規陽性者数』、『入院中の重症者数』、『死者数』などをグラフ化しましたので紹介いたします。

  グラフ化を行なった期間は「2022年3月28日(月)まで」です。

  『新規陽性者数』の減少は停滞している状況となっていますが、『入院中の重症者数』や『死者数』は数値を下げています。この点を対策を講じる行政がどう判断するかが鍵になるでしょう。


年齢別・入院中の重症者数(都の基準)

  東京都での『入院中の重症者数』は2月20日がピークでした。その後は減少が続き、3月27日の時点では「40人弱」と半分になっています。

都の基準による『入院中の重症者』の割合

  年齢別で見ますと、オミクロン株による重症者がピークだった頃は「70代以上が重症者の 60% 超」を占めています。3月中旬からは「50%台」にまで下がりましたが、これは80歳以上の重症者数が減ったことが要因です。

  「新型コロナ罹患によるリスクが依然として高いのは高齢者」という傾向が鮮明に示されているのですから、高齢者への制限を設けないコロナ対策は無駄と言わざるを得ないでしょう。


新型コロナ(≒オミクロン株)による死者数の推移

  東京都でのオミクロン株による死者数のピークは「2月中旬(の前後)」でした。

  2月末からは『死亡日別の死者数』が減少して「1日あたり20名」となり、3月中旬には「1日あたり10人を下回る水準」となっています。死亡予備群に該当する『入院中の重症者』も減少しているため収束は近いと言えるでしょう。

  特筆点としては「重症者の大半が高齢者なのに死者と重症者のピークが同じ」という点です。「重症者が助からずに死亡する」であれば、『死者のピーク』は『重症者のピーク』の後となるでしょう。

  そうならなかったのは「多くの高齢者にとってもオミクロン株は脅威ではない」とのシナリオも考える必要性が出て来ているからだと思われます。


新規陽性者数と実効再生産数Rの推移

  2月中旬に実効再生産数Rが下回ってからは「R<1」が3月末まで続いているものの、『3月中旬に報告された新規陽性者数』と『3月下旬に報告された新規陽性者数』はほぼ同数となっています。

  したがって、新規陽性者数は現在の報告数(=1日あたり7000人ほど)が続く可能性は十分にあります。

  ただ、“入院の必要がない新規陽性者数” がどれだけ大きな数字になっても医療機関が逼迫する事態は起こり得ません。そのため、『陽性者数至上主義』に陥っている人が騒ぐ声を行政やマスコミが無視できるかが今後の課題となるでしょう。