秋田・佐竹知事、宮城・村井知事に続く形で「基礎疾患のない子供は新型コロナワクチンを打って欲しい」と発言

  3月4日に開催された全国知事会の終了後に取材に応じた秋田県の佐竹知事が「基礎疾患のない限り、子供は新型コロナワクチンを打って欲しい」と述べたと秋田テレビなどが報じています。

  以前にも宮城県の村井知事が同様の発言をしていましたが、“接種すべき対象者” を間違えていることが致命的です。接種を検討すべきは「基礎疾患を持つ子供」であり、基礎疾患を持っていないなら接種は積極的にすべきではないでしょう。


佐竹知事の発言

  秋田県の佐竹知事が行なった発言が以下のとおりです。

  佐竹知事は、秋田県内でも5日から順次始まる5歳から11歳が対象の新型コロナウイルスのワクチン接種について問われ、「国の方は、打つ・打たないどうでもいいと。それでは困る。基礎疾患があれば別だが、ない子どもであれば打ってほしいと思う」と述べた。

  ワクチン接種は「任意」なのですから、打つ・打たないはどうでも良いことです。

  問題なのは「佐竹知事が間違ったリスク評価に基づく主張をしていること」です。これは佐竹知事に限ったことではありません。宮城県の村井知事も同じ誤ちをしているからです。


2月28日の記者会見での村井知事の発言

  2月28日に行なった記者会見で宮城県の村井知事は「5歳から11歳の新型コロナワクチン接種に対する考えは?」との問いに以下のように回答しています。

  強制的に打たせるということ、義務ではないということでありますので、子どもさんの体調などを見ながら慎重に親がご判断をいただくということになります。ただ、私は健康な子どもはできるだけ打ったほうがいいのではないかなと思います。できる限りご協力をいただきたいと思います。

  村井知事は「健康な子供はできるだけ打った方が良いのではないかと思う」と発言。この発言があった週末に秋田県の佐竹知事が上述のように(報道陣に)語ったのです。

  東北2県の知事によるワクチン接種に対する考え方は問題と言わざるを得ないでしょう。


“基礎疾患のない子供” は重症化しにくく、ワクチン接種による有効性は少なくなる

  東北2県の知事は「基礎疾患のない子供はワクチンを接種して欲しい」との希望を口にしていますが、リスク評価を見誤っています。なぜなら、対象者の特性によってワクチンの有効性は異なるからです。

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  上図の資料は2020年10月2日に開催された第17回・厚生科学審議会予防接種ワクチン分科会の資料3(PDF)です。

  2020年秋の時点で『ワクチンの主たる有効性』は「重症化予防など」となっており、感染予防効果は測定不能を理由に明言は避けれていました。つまり、重症化リスクの低い人ほどワクチン接種は副反応のリスクを無視できない状況なのです。

  新型コロナの罹患時に重症化する子供は極めて稀であり、“基礎疾患を持たない健康な子供” がワクチン接種で得る有効性は「ほぼゼロ」です。

  にも関わらず、佐竹知事と村井知事は「基礎疾患のない子供はワクチンを接種して欲しい」と真逆のことを要望しているのです。

  科学的に判断するなら、「基礎疾患のある子供を持つ保護者の方は接種を検討して欲しい」と言うべきでしょう。両知事は一線を越えてしまったことは明らかと言わざるを得ません。



  高齢者を安心させるために『副反応のリスクだけがあるワクチン』を子供に接種しようとしている状況です。シルバー・デモクラシーの代弁者として君臨する権力者に従うと子供が不幸になる典型例を見せつけられていると言えるのではないでしょうか。