知念実希人氏、「『オミクロンは弱毒化している』というのは明確な誤り」との明らかなデマを流す

  小説家で医師の知念実希人氏が「『オミクロンは弱毒化している』というのは明確な誤り」と明らかなデマを流しています。知念氏の主張内容は『日本のデータ』で否定できるため、「ツイートはデマ」と断定せざるを得ません。


発生届出時に『肺炎以上の症例』が占める割合

  まず、オミクロン株の毒性がデルタ株よりも低いことは事実です。これは『発生届が提出された際に肺炎以上の症例が全体に占める割合』から確認が可能です。

  「年齢」や「新型コロナワクチンの接種有無」に関係なく、オミクロン株に感染した際の『肺炎以上の症例』はデルタ株よりも低いと示されています。

  知念氏は「デルタ株の病毒性が異常に高かった」と主張していますが、これは大阪府から報告された新規重症者数を基に算出した重症化率で否定されます。


デルタ株やオミクロン株による重症化率(大阪府)

  過去記事で記載した重症化率を図示すると以下のようになります。

  知念氏が主張する「デルタ株の病毒性が異常に高かった」が事実であるなら、『(アルファ株の 感染拡大が深刻だった)昨春に記録された重症化率』は『(デルタ株の感染拡大が深刻だった)昨夏の重症化率』 よりも低くなっているはずです。

  しかし、そうはありませんでした。これは『新規重症者数』でも示されています。

過去の感染拡大時の新規重症者との比較

  『デルタ株』が「異常に病毒性が高い」のであれば、新規重症者数は『デルタ株』が最も多くなっているはずです。しかし、『アルファ株』の方がピーク値は高く、『一昨年の第3波』の方が新規重症者は長期間に渡って発生しています。

  「オミクロン株の病毒性は強いと考えられている」との知念氏の主張には根拠が示されていません。知念氏は『コロナ対策による補助金を得ている業界』の一員であり、“煽り” をする動機があることに留意する必要があるでしょう。


「発生届出時に『肺炎以上の症例』が占める割合」の元ネタ

  記事で用いた「発生届出時に『肺炎以上の症例』が占める割合」の元ネタは1月26日(水)に開催された第29回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会に提出された資料(PDF)です。

f:id:sqboe:20220127175019j:plain:w600

  この資料は「5歳から11歳までの子供たちに新型コロナワクチン接種を許可する目的」で提出されたものであり、『ワクチンの接種効果』を強調する意図が透けて見えます。

  ただ、皮肉なことに「新型コロナワクチンの接種効果はオミクロン株には低い」との結果が示されています。65歳以上で 1.44% 、12歳から65歳で 0.13% しか差(=発症予防効果)がないのです。

  ワクチン接種推進派がこの不都合な事実から目を背けることでしょう。報道機関が『事実』を取り上げるのかが注目点になるのではないでしょうか。