【人口動態統計速報】 2021年11月の出生数は前年同月から微増し、死者数は『推計死亡数・中位』が続く

  厚生労働省が人口動態統計速報の2021年11月分を発表していましたので内容を紹介いたします。

  出生数は7万396人前年同月より約900人の増加になりました。少子化が進む中で出生数が前年よりも多かったことはイレギュラーなことと言えるでしょう。

  一方で死者数は12万2806人でした。高齢化で高齢者の絶対数が増えているため、増加分は想定の範囲内です。2021年の年間死者数は『推計死亡数の中位』に収束すると予想されます。


人口動態統計速報(2021年11月分)

  発表された人口動態速報(2021年11月分)は以下のとおりです。

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  11月の出生数は7万396人と前年同月から約900名の増加を記録しました。単月で +1.3% となったことは異例ではあるものの、1月から11月までの累計は -3.6% と落ち込みは継続しています。

  一方の死者数は12万2806人と前年同月よりも +3.7% でした。1月から11月までの累計でも +5.3% を記録しています。これは2020年の死者数が予想よりも少なかったことが理由です。

  少子高齢化が進行する日本では想定された人口動態と言えるでしょう。


出生数(2021年11月・人口動態統計速報)

  出生数が前年同月よりも増加したことは事実ですが、2020年11月の出生数が『推計値・低位』と同程度だったことを見落としてはなりません。

  この推計値は「少子化」を前提としたものであり、『低位』では「少子化のペースが速い」ことを意味します。コロナ対策で少子化が加速している現実は大きな問題でしょう。

  なお、2021年11月に厚労省が発表した妊娠届出数は以下のとおりです。

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  2021年7月までの月別妊娠届出数は「2020年の時よりも微減」という状況です。『2020年の妊娠届出数』は『2021年の出生数』の先行指標でしたから、『2022年の出生数』も厳しい数値が並ぶことになるでしょう。


死者数(2021年11月・人口動態統計速報)

  2021年11月の死者数(速報値)は12万3000人と『推計死亡数・中位』の12万2000人と同水準です。1月から11月までの累計死者数も『推計死亡数・中位』と同じであり、問題にする必要はありません。

  日本では超過死亡が発生していないのですから、感染症(≒新型コロナ)による大きな被害があったとは言えません。むしろ、若者の自殺者数がコロナ禍前よりも深刻になっている問題への対策に本腰を入れるべきではないでしょうか。