「オミクロン株では『肺炎像』の届出すらない」と2022年1月20日の厚労省アドバイザリーボードで示される

  2022年1月20日に開催された第68回・新型コロナ対策アドバイザリーボード「1月17日までのオミクロン株の確定症例では『重篤な肺炎』はおろか『肺炎像』すら届け出がない」と報告されています。

  重症例の報告もなく、中等症が占める割合も 1.5% です。したがって、『まん延防止等重点措置』を適用することは間違いと批判せざるを得ないでしょう。


厚労省のアドバイザリーボードで示されたオミクロン株の基本特性

  厚労省のアドバイザリーボードで上述のデータは鈴木基氏が提出した『資料 3-2 (PDF)』に記されています。『HER-SYS』に登録されたデータを鈴木氏が引用し、資料として提出した形になります。

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  これをグラフ化したものが以下です。

オミクロン株症例の基本特性:2022年1月17日時点

  無症状者は全体の 10% で、90% が症状を有する患者です。

  ただ、“無症状者を含むオミクロン株の陽性反応者” に占める『中等症以上の患者』の割合は 1.5% です。「届出票に基づく」と「届出後に重症化する可能性がある」と脅したところで新規重症者がほとんど報告されていない事実の前では無力です。

  また、ワクチン接種が確認されている人が陽性者の過半数を占めている事実も頭の片隅に置いておくべきでしょう。


オミクロン株による症状(2022年1月17日時点)

  なお、オミクロン株への感染が確定した症例で確認された症状は以下のとおりです。

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  発熱が 65%咳が 40%。頭痛と全身倦怠感がそれぞれ 20% となっています。

  多臓器不全は「基礎疾患持ちの高齢者」でしょう。50% の頻度で現役世代や若者に多臓器不全が起きていれば、ワクチン接種を激推しする医師らが大騒ぎをしているはずだからです。

  『オミクロン株による症例』で最も重要なのは『重篤な肺炎』はおろか『肺炎像』すら届出が確認できない低水準であることです。

  新型コロナは “原因不明の新型肺炎” が問題視されたのです。「その懸念事項は起きていない」と『症例データ』として示されたのですから、科学的根拠に基づき対策を修正する必要があるでしょう。


余談

  余談ですが、楊井人文氏が引用している時事通信は記事を配信するタイミングを早まってしまいました。

  時事通信が1月19日付で配信した記事の元ネタは「1月13日の第67回アドバイザリーボードに鈴木基氏が提出した資料 3-2 (PDF)」なのです。20日には第68回アドバイザリーボードの開催が予定されていたのですから、待つべきだったと言えるでしょう。

  ツイッターのアカウントを持っている方は(入れ違いになる可能性はありますが)楊井氏に「資料の出所」を伝えて頂けると幸いです。