【イスラエル】 新規陽性者はピークアウトも重症者は過去最悪が目前で、死者はデルタ株を超える(2022年2月1日時点)

  イスラエル保健省がダッシュボードで報告している新型コロナの新規陽性者数・重症者数・死者数などをグラフ化しましたので紹介いたします。

  グラフ化の対象は「2022年2月1日まで」です。

  死者数はデルタ株による感染拡大時を超え、昨年1月に記録した水準に迫る「1日あたり40人強」となっています。また、入院中の重症者数は過去最悪に匹敵する状況です。

  イスラエルは(ファイザー製の)新型コロナワクチンの4回目接種を進めており、一部の医師や専門家らが提唱する「ワクチン接種をすればオミクロン株の感染拡大は防げる」との主張は成り立たないと言わざるを得ないでしょう。


死者数(7日間平均)の推移

  イスラエルでの新型コロナによる死者数の7日間平均値は1月末の時点で「1日あたり40人強」を記録しました。

  この数字は昨夏(=2021年夏)にデルタ株の感染拡大が起きた際のピーク値である「1日あたり30人」を超える水準です。“弱毒化” したオミクロン株でデルタ株よりも深刻な被害が生じていることは大きな懸念事項でしょう。

  また、死者数は2021年1月にイスラエルで報告された「1日あたり50人強」に近づきつつあります。これでは「新型コロナワクチンの死亡抑制効果は 20% ほど」と見なされてしまいます。

  ワクチンの接種効果を語る専門家や医師はイスラエルから報告されている事象に対する “科学的根拠に基づく説明” をすべきだと言えるでしょう。

致死率

  「オミクロン株が弱毒化している」との根拠はイスラエルの症例からも示すことは可能です。致死率(=陽性者に占める死者の割合)の推移を示せば良いからです。

  2021年1月後半から2月前半におけるイスラエルでの新型コロナによる致死率は 0.8%、デルタ株の感染拡大が起きていた2021年夏は致死率が 0.3% となり、2022年1月以降は 0.02〜0.07% で推移しています。

  「デルタ株の毒性だけが異様に高かった」などと主張する医療関係者がいますが、それはデルタ株が “最初の本格的な感染拡大を引き起こした国また地域” を基に騒いでいる可能性があります。

  新型コロナの感染拡大に初期の段階から見舞われている国や地域では「変異ごとに弱毒化が確認できる感染被害」となっているのです。煽りたい立場の人々の妄言に惑わされないよう注意が必要と言えるでしょう。


重症者数の推移

  イスラエルでの懸念事項は「入院中の重症者が過去最悪を更新しそうな勢い」であることです。

  『入院中の重症者数』は2021年1月後半に記録した「1200人弱」が過去最悪ですが、2022年1月31日に「1137名」を記録しているからです。新規陽性者数は峠を越したものの『入院中の重症者数』が減少に向かうのは少し先のことになるはずです。

  ちなみに東京都の『入院中の重症者数』は “ICU 等で治療中” という「国基準で550人」です。イスラエルよりも人口が多く、どんぶり勘定でも「重症者はイスラエルの半分」ですから『別の疾病』として扱うべきでしょう。


新規陽性者数と実効再生産数Rの推移

  なお、イスラエルでの新型コロナの新規陽性者数は1月29日に実効再生産数Rが R<1 となったため、ピークアウトが始まっています

  ただ、1日あたりの新規陽性者数が8万人超を記録しているため、症例数は多い状態が続くと予想されます。また、「実効再生産数Rのピークが(東京都と同じ)2022年1月9日」という事実もあります。

  「イスラエルの新型コロナ対策が東京都と同じ」であることはあり得ないですし、「イスラエル国民と東京都民の新型コロナ対策への意識が同じ」であることもないでしょう。

  したがって、「対策によって新型コロナは封じ込められた」との主張は『神話』に過ぎません。

  『有効な対策』が存在するのなら、どの新型コロナワクチンよりも効果があることに意味しているのです。それを論文として裏付けを示し、コロナ禍に苦しむ各国へ『対策』を輸出することでコンサルタント料を稼ぐべきでしょう。



  新型コロナワクチンの接種効果を宣伝している日本の医師や専門家がイスラエルでの感染状況から目を背けている事実が何を意味しているのかを考える意味は大きいと言えるのではないでしょうか。