無意味な新型コロナ対策の即時解除は当たり前、継続には『科学的根拠に基づく対策効果の証明』が不可欠

 政府・分科会の尾身茂会長が9月30日に解除される緊急事態宣言に対し、「段階的にすべき」と主張していることが報じられています。

 8月中旬に尾身氏を始めとする専門家が断言した要因は「新型コロナ感染拡大とは無関係」だったことが示されたのです。

 『無意味だった対策』が撤回されるのは当然ですし、継続するのであれば『該当の対策を採ることの効果』を証明する責務が専門家にはあるはずです。

 

尾身氏ら専門家は「感染拡大の要因は人流」との当初の見立てに固執

 日本のコロナ対策が瓦解への向かっている最大の理由は「専門家が『当初の見立て』に固執しているから」です。

 昨春の第1波の際に尾身氏ら専門家は「8割の接触削減をしなければ感染は収束しない」と主張しましたが、専門家の要求が満たさなくとも感染は収束しました。これは昨夏の第2波でも同様でした。

 ここで重要なのは「『当初の見立て』を自己批判的に結果検証をしたか」です。

 『当初の見立て』が100点満点なら言うことはありません。しかし、それは現実には起こり得ません。“見立てとは異なる現実” が突き付けられる可能性があるからです。

 新型コロナ対応では「尾身氏(や西浦氏)などが求めた水準の人流を削減せずとも感染者は減少に転じたこと」がそれに該当します。そのことから目を背け、その場しのぎで誤魔化そうとするから矛盾が生じて苦しい立場に追い込まれているのです。

 

8月中旬に「減少する要因はない」と断言した専門家は自らの主張に対する責任を取るべき

 専門家などは飲食店での酒類提供への制限を続けたいようですが、それは全くの無意味です。

 東京都では『4度目の緊急事態宣言』が出ていた7月中旬から陽性者が増加。8月中旬に専門家は「減少する要因はない」と断言したものの『発症日別の新規陽性者数』はその時点でピークアウトしており、8月下旬以降は新規陽性者数が激減しました。

 その間の対策に大きな変化はないのですから、現行の対策が『新型コロナ感染拡大防止策』として機能していないことは明らかです。機能しているのであれば、それは数値データとして世間一般に示せるはずです。

 尾身氏などは『人流』による説明が暗礁に乗り上げたことで『行動変容』や『ワクチン未接種者の夜間滞留人口』を理由にあげていますが、その主張は矛盾が多すぎて使い物になりません。

 「飲食が感染拡大の “ハブ” だと思う」との根拠のない憶測で業種を破壊するような人物に好き勝手させている政治も共犯者として断罪されるべき行為と言わざるを得ないでしょう。

 

緊急事態宣言を段階的に解除したいなら、『どの対策に効果があったのか』をデータで示して責務を果たすべき

 尾身氏を始めとする政府・分科会や厚労省アドバイザリーボードに参加している医療関係者は緊急事態宣言の段階的な解除を要求していますが、その要望を聞き入れる必要は全くありません。

 なぜなら、専門家として取り上げられている人物の主張はワイドショーのコメンテーターと変わらないからです。

 段階的な解除をするのであれば、『継続する対策』が存在することになります。ただ、どの専門家も『新型コロナの感染拡大帽防止策として採られた対策』への結果評価をしていないのです。

 対策への(自己批判的な)結果評価をしていれば、「人流と感染者数に相関関係はない」と認識できているはずです。それができていないのですから、専門家が口にする懸念に耳を傾ける必要はありません。

 “100年前に流行したスペイン風邪のへ対応” が『対策の手本』では話になりません。「その対策にはどのぐらいの効果があったのか」を測定し、『より効果が見込める対策』にアップデートし続けることが求められているからです。

 それができない人物は少なくとも政府がお墨付きを与える組織でトップを務めるべき人物ではないと言えるのではないでしょうか。