「コロナ対策によるウイルス暴露の遅れが初期免疫の逸失を招き、小児に『謎の肝炎』を流行させた疑いあり」と BBC が報道

  イギリスの BBC が世界中で発生が確認された「小児への『謎の肝炎』の原因と思わしきものが発見された」と報じています。

  原因は「ロックダウンなどのコロナ対策で小児がアデノウイルスなどへの暴露機会が減少し、初期免疫を形成できなかった」と言及されています。その結果、“免疫なしの状態” でアデノウイルスに暴露し、感受性の高い幼児が『肝炎』を発症するに至ったとのことです。

  日本では2021年の初夏に『RSウイルス』が2020年に流行しなかった “負債” を一括返済するような形で感染爆発を引き起こしており、同じ機序によるものと言えるでしょう。


BBC が報じた内容

  BBC が記事で報じた内容はウイルス研究者のジュディス・ブリュワー教授が以下のように述べています。

  • ロックダウン期間中に子供たち同士でのウイルス感染は起きず
    • 一般的な感染症に対する免疫ができず
  • 規制が解かれると子供たち同士での “ウイルス交換” が再開
    • ウイルスの流通も自由に
  • 免疫を持たない子供たちが様々な感染症にさらされることになる
  • 小児肝炎における『アデノ随伴ウイルス』の役割を調査するための大規模研究が早急に必要
  • 『アデノウイルスの感染ピーク』が『アデノ随伴ウイルスの暴露ピーク』と重なり、感受性の高い幼児に異常な肝炎を引き起こした疑い

  上述の内容は「ブリュワー教授の個人的見解」ではなく「論文」として発表されているものです。

  「新型コロナ(≒オミクロン株)によって小児に『謎の肝炎』が蔓延している」との主張は単なる憶測と言わざるを得ません。間違った情報を流した専門家には訂正情報を出す責務があると言えるでしょう。


「オミクロン株の感染が小児急性肝炎に関与する仮説」を主張していた西浦博氏

  「オミクロン株の感染が小児に『謎の急性肝炎』を引き起こした疑いがある」と2022年5月11日に行われた第83回・厚労省新型コロナ感染対策アドバイザリーボードに資料(PDF)を提出していたのが西浦博氏です。

  西浦氏の主張(や論文)は『人口あたりのオミクロン株による新規陽性者数』ではなく『オミクロン株による新規陽性者の実数値』で縦軸に分布させているのです。

  人口の多い国では小児の絶対数が多くなり、発症率が同じ疾病での患者数も多くなります。「人口の多い国ほど小児に『謎の急性肝炎』が多い」という無意味なもので新型コロナを煽った専門家は相応の責任を取る必要があるでしょう。


子供たちが “免疫負債” を抱えたに目を背ける専門家に存在価値はない

  乳幼児の間に暴露しておくべきウイルスを回避したことで生じた “免疫負債” は(日本では)『RSウイルス』が代表例と言えるでしょう。

  毎年夏場に感染ピークを迎えていた『RSウイルス』は2020年には感染報告数が「ゼロ」で推移し、翌2021年には「前年の感染報告数を上乗せするほどの感染拡大」が全国各地で起きていたからです。

  ちなみに、今年の『RSウイルス』は「平年値」と言える水準が東京都などから報告されています。(感染研:感染症発生動向調査

  この状況で小児科が逼迫するなら、「医療資源の配分を “医療業界が” 間違えたこと」が原因です。

  新型コロナ(= BA.5)を理由にする医療関係者も散見されますが「『季節性インフルよりも患者数が少なく重症化率も低い疾病』への罹患で病院受診を促し続けたたこと」が元凶であることは明らかでしょう。

  不要不急の診察で多額の診療報酬を医療業界が手にすることが可能である『現行の保健医療制度』にメスを入れることが必要になっているのではないでしょうか。