日本医師会の名誉会長らが「憲法に『(医療業界が緊急財政支援を得られる)緊急事態宣言』の規定を」と提言

  日本医師会の前会長である横倉義武氏らが共同代表を務める『ニュー・レジリエンス・フォーラム』が感染症の蔓延や大規模災害時に「緊急事態宣言」を憲法に規定するよう提言したと日経新聞が報じています。

  この提言に沿った行動を政治がする必要はありません。なぜなら、横倉氏など医療業界の本音は「緊急事態宣言による医療機関への財政支援に法的根拠を持たせること」だからです。

  業界収入の9割が税金と保険料である医療業界が「診察拒否」をできることが根本的な問題なのです。国民の私権を制限するのではなく、感染症法を改正して『罰則付きの命令』を医療機関に課せば十分と言えるでしょう。


「緊急財政支援を」との本音がダダ漏れ

  横倉氏など医療業界の本音が「『緊急事態宣言の発出』による『緊急財政支援で医療機関が収益を確保』の構図を作ること」であることは明らかです。会合のスローガンにそう記されているからです。

  医療関係者は異口同音に「感染症に強い社会を」と主張しますが、医療関係者が要求した対策は『感染症から逃げ回る社会の構築』であることが実情でした。

  日本の医療制度は「医療行為の “数” に応じて診療報酬が支払われるインセンティブ制」です。

  緊急事態に診療拒否をした医療機関が潰れたところで世間一般が困ることはないでしょう。なぜなら、有事に何の役にも立たない医療機関を税金や保険料で維持する合理性は皆無だからです。

  それにコロナ禍で日本の医療機関は焼け太りが進行していることが明らかになりました。医療機関への緊急財政支援をしたところで世間への還元がなかった事実は覚えておかなければなりません。


「医療逼迫が起きる」と騒ぐも、濡れ手で粟のボロ儲けを記録した医療業界

  医療業界は今の『ウィズ・コロナ対策』が続くことを希望しているでしょう。国公立病院は大幅な黒字を計上、民間の医療機関も堅調な数字を記録したからです。

  上述の資料(PDF)は財務省・財政制度審議会で報告されたものですが、コロナ対策補助金で医療業界にバブルが訪れたことは一目瞭然です。

  また、新型コロナワクチン接種で医療機関だけでなく医療従事者にも臨時ボーナスが出ました。「楽して儲ける」という強烈な実体験をして “甘い汁” の味を覚えてしまったのですから、それを手放す考えはないでしょう。

  「命を守る」とのキレイゴトを口にするものの、実際の行動は「医療業界に投入される税金を増やすためのロビイング」に過ぎないのです。


感染症法を改正し、行政が医療機関に『罰則付きの命令』を発せられるようにすれば済むこと

  医療業界が「緊急事態宣言を憲法で規定すべき」と主張している理由は「行政命令を受けずに医療機関を経営する自由を持ち続けたいから」です。

  医療業界は業界収入の9割が税金と保険料という『補助金産業』ですが、行政からの命令を受けない特殊な立場にあります。この状態を放置したままではコロナ対策禍で浮き彫りになった問題は何も解決されないでしょう。

  なぜなら、対応から逃げた医療機関は『緊急財政支援』によって収入が保証され、国民の私権は緊急事態を理由に制限される上に『緊急財政支援』の負担を強いられることになるのは火を見るよりも明らかだからです。

  制限を設けるのであれば「納税者の私権」よりも「税金や保険料で運営されている医療機関の経営」が先です。緊急事態宣言で国民の行動を縛るより、医療機関の『自由な経営』を制限する方が効果的です。

  感染症法を改正して医療機関に対して『罰則付きの行政命令』を出せるようにすれば済むことです。ネット上で “イキっている” 医療関係者も『罰則付きの行政命令』を受けない立場だから好き勝手に言っているに過ぎません。

  「尾身先生など専門家は政府の意向に沿った対応をしただけ」などと歴史修正をしてまで擁護をする有様なのですから「現状の対応を追認する法的根拠を作ってはならないことは明らか」と言わざるを得ないでしょう。