「(毎年1000万人の患者を出す)インフルエンザより40倍」とオミクロン株の感染力を煽る仲田洋美氏

 ガンと遺伝子の専門医を名乗る仲田洋美氏が「オミクロン株の感染力はインフルエンザの40倍」と主張し、5類に変更すると患者本人の隔離すらできないと批判しています。しかし、インフルエンザの年間患者数を無視した主張は噴飯物と言わざるを得ないでしょう。

 

インフルエンザの患者数は年間1000万人

 まず、季節性インフルエンザは毎年約1000万人の罹患があると首相官邸のホームページで紹介されています。

首相官邸による季節性インフルエンザの説明文

 1月から2月が感染のピークで患者の大部分はこの時期に報告されます。春までに散発的に患者が報告されることはあるものの、これらは統計上は誤差の範囲として処理することができるでしょう。

 

新型コロナの陽性者は “2年間の累計” で約180万人

 一方で新型コロナの陽性反応者は “2年間の累計” で約180万人です。(厚労省:2022年1月14日時点

 季節性インフルエンザはピーク時に1週間で約200万人が罹患し、1日あたりでは約30万人に達する感染力があります。

 仲田氏が主張する『オミクロン株の感染力がインフルエンザの40倍』を事実と仮定すると、1日あたり100万人超の新型コロナ新規陽性者数が報告されることになります。

 「1週間で日本国民の約 10% がコロナ陽性反応を示す」との推計は荒唐無稽です。医療の介入が必要ですらない陽性反応者の報告数を根拠にした対策は社会や経済を痛み付ける原因であることを学習しなければならないでしょう。

 

“対象を最大限に拡大して発生した濃厚接触者” の欠勤で社会経済活動が止まっては本末転倒

 新型コロナが5類に分類変更されることで「濃厚接触者への制限」が消滅しますし、「医療(機関や従事者)への補助金バブル」も消滅します。

 一般人はメリットが大きくなりますが、恩恵が失われる医療従事者らが反対をしているのです。

 「感染拡大を防ぐべき」との主張が説得力を持つのは『感染症に罹患した際の諸症状で欠勤・欠席が必要となって社会経済活動に支障が出る恐れがある場合』に限定されます。

 『感染症患者の濃厚接触者』では不十分ですし、濃厚接触者の範囲を広げたことで社会が回らなくなっては本末転倒です。この場合は『対策を立案した専門家』と『対策を支持した医療関係者』らがまずは責任を取らなければなりません。

 

 事実を無視した煽りで社会や経済に大きな損失を及ぼすことに加担した医師免許保持者には「一定期間の資格停止」や「免許剥奪」などの懲罰を科す再発防止策を講じるべきなのではないでしょうか。