【東京都】 オミクロン株による感染拡大が「南アフリカなどと同様に1ヶ月で収束に転じるか」が注目点

  東京都においてもオミクロン株による新型コロナの感染拡大が見受けられますので、都から報告された『新規陽性者数』やそれに基づいて算出した『実効再生算数R』などを紹介いたします。

  グラフ化を行なった期間は「2022年1月6日(木)まで」です。

  南アフリカなどでは「オミクロン株の感染拡大は1ヶ月弱で収束」へと転じました。東京都でも同様の傾向が観測されるかが注目点となるでしょう。


新規陽性者数の推移

  東京都の人口(=約1400万人)は「南アフリカの最大都市ヨハネスブルグなどがあるハウテン州とほぼ同じ」です。そのため、新型コロナ陽性者数は絶対値のままで比較しても問題とはなりません。

  南アフリカ・ハウテン州でオミクロン株による感染拡大が本格化したのは2021年11月下旬です。ただ、1ヶ月後の12月16日には実効再生産数Rは1を下回り、収束へと向かいました。

  ちなみに、南アフリカは『ワクチン接種先進国』ではありません。ハウテン州の60歳以上におけるワクチン接種率は 60% で、国全体では 30% にも満たない水準です。ブースター接種は「皆無」と言えでしょう。

  東京都では「2022年1月初旬」からオミクロン株の感染拡大が本格化したと言える状況です。したがって、1ヶ月後の2月初旬には『オミクロン株による感染拡大』が収束に向かっていることが期待できるのです。


南アフリカ・ハウテン州で報告された新型コロナによる死者数

  参考までに南アフリカ・ハウテン州での新型コロナによる死者数を紹介しますと、2021年1月以降に感染拡大が起きたベータ株のピーク時が7日間平均で1日あたり100名。同年7月のデルタ株では140名の水準でした。

  それがオミクロン株では「1日あたり20名弱」と低い水準で推移しています。陽性者数の多さと比較すると違いは歴然と言えるでしょう。


死亡日別・死者数

  東京都から報告された『新型コロナによる死者数』は2021年12月の発表日別で9名死亡日別で4名でした。

  東京では(デルタ株の感染拡大が起きていた)2021年9月に1日あたりの死者数が「20名弱」でしたから、“デルタ株よりも毒性が低いオミクロン株” で死者が大きく増えることはないでしょう。


年齢別・入院中の重症者数

  都の基準での『新型コロナによる入院中の重症者数』は2021年12月は「3名」で推移。年末には「1名」となったものの、年明けには「3名」にまで増加しました。

  とは言え、この水準は「誤差の範囲」と見なされるべきものです。

  イギリスの報告例では「オミクロン株では重症化率がデルタ株よりも低くなっている」と示されており、東京でも同じ傾向になったとしても不思議ではありません。その場合は新規重症者数も大きくは増えないと思われます。



  少なくとも、新規陽性者数の増加だけでは対策を強化する理由にはなりません。新型コロナは今後も変異し続けますし、オミクロン株が最後ではありません。

  オミクロン株の持つ感染力を上回る変異株が出現することは十分考えられることですし、新型コロナによる高齢者の死者は社会的に受け入れられるべきでしょう。