「デルタ株の致死率はインフル以下」という事実を伏せて「オミクロン株の重症度がデルタ株より低い証拠はない」と煽るイギリスの専門家

  ロイター通信がインペリア・カレッジ・ロンドンの研究チームが「オミクロン株の重症度がデルタ株より低い証拠ない」と警鐘を鳴らしているとツイートしています。

  当該ツイートの内容を鵜呑みにしてはなりません。『イギリスでのデルタ株による致死率』は季節性のインフルエンザよりも低いからです。この事実を知らないと余計なパニックが誘発されることになってしまうと思われます。


イギリスでの新型コロナによる死者数

  イギリス当局から発表されている『新型コロナによる死者数』をグラフで示すと以下のようになります。

  イギリスで『新型コロナによる死者数』が深刻だったのは「(2020年春の)第1波」と「(2020年12月からの)アルファ株」による感染が生じていた時です。

  2021年夏から発生した『デルタ株による死者数』は「1日あたり100人台」で、『第1波』や『アルファ株』が広まった際に起きた「1日あたり1000人超の死者数」は発生していません

  『デルタ株』とは “共存” を図ろうとしていたのですから、『オミクロン株の重症度』が『デルタ株』と同程度なら何の問題もないでしょう。


致死率(7日間平均)

  致死率(=陽性反応者に占める死者の割合)を確認しますと、デルタ株が「0.3〜0.5%」であることに対し、オミクロン株は「0.3% 未満」です。

  イギリスでの『新型コロナによる死者』は「陽性反応を示してから28日以内に死亡した者」という指標であるため、死因が新型コロナではなくてもカウントされる欠陥が存在します。

  ただ、それでも死者の絶対数や致死率が現状では『デルタ株の蔓延期』を下回っているのです。オミクロン株の重症度は「デルタ株と同程度」であれば十分なのですから、低い傾向であるなら喜んで受け入れるべきでしょう。


デルタ株とオミクロン株での比較

  あと、インペリア・カレッジ・ロンドンの研究チームが触れていない重要な情報として「季節性インフルエンザの致死率」があります。

  『季節性インフルエンザ』の致死率は約 1% であり、『今夏以降のイギリスでの新型コロナによる致死率』は『季節性インフルエンザ』の数値を下回っているのです。

  これはオミクロン株による感染拡大が起きた南アフリカでの致死率も同様です。しかも南アフリカは新型コロナワクチン接種は全国民の半分にも満たない水準にあります。

  日本では一部の医療従事者が「季節性インフルと同程度の致死率にならないと対策は緩めることは難しい」などとの “見解” を披露していましたが、イギリス発の自説に不都合な情報は無視しているのでしょう。


  新型コロナを「100年に1度のパンデミック」などと先陣に立って煽ってしまった人ほど方針転換することは並大抵ではありません。そうでないなら、静かに距離を取るべきです。

  “大波” に流されてしまうことは「世間一般の個人」では止むを得ないことです。一方で煽り続けた専門家や信者の責任が重大なのですから、問題点や矛盾には「おかしい」との指摘を続ける必要はあるでしょう。