新型コロナ陽性者が再拡大しようと「死者数が横ばい」なら『共生路線』を継続するイギリス政府の方針は正しい

 日経新聞によりますと、イギリスでの新型コロナの新規陽性者数が「1日あたり4万人台」とヨーロッパの中でも高い水準になっているとのことです。ただ、入院者や死者は増加しておらず『共生路線』は継続となっています。

 

死者や重症者が急増しないなら「規制強化」などの対策は不要

 イギリスで新型コロナ陽性者者が「高い水準」であるにも関わらず、『規制強化』の声が出ないのは「重症者や死者数が急増していないから」でしょう。

 今夏以降のイギリスで新型コロナによる死者数は「横ばい」が続いており、急増している報告はありません。

 イギリスでの『コロナ対策による規制』が撤廃されてからの約3ヶ月で死者数は急増していないのです。また、日経新聞の記事で言及されている入院患者数は「約1万人で推移」しています。

 現状で『共生路線』を変える必要がある理由を見つけることは困難であり、「様子見を続ける判断は合理的」と言えるでしょう。

 

「新学期が始まると感染拡大」と煽った西浦氏のような専門家の予言はイギリスでなら当たりだった

 日本では「新学期が始まると新型コロナの感染拡大が起きる」と主張した西浦氏が大外れの結果を突き付けられたことで雲隠れ中ですが、イギリスに限っては『大当たり』と言えるでしょう。

 18日時点の新規感染者は4万9千人だった。人口が約2倍の日本に当てはめると1日10万人近くが感染している計算だ。7月に5万人台だった感染者数は規制解除後にいったん2万人台まで減り、その後また増加傾向にある。9月に学校の新学期となって感染が広がっており、感染者の4割近くは10代だ。イタリアやスペインなどで感染がやや落ち着きを見せているのとは対照的だ。

 ただし、これはイギリス固有の問題です。9月から新学期が始まるのは(記事で触れられている)イタリアやスペインでも同じですから、イギリスだけがヨーロッパで突出した新規陽性者数を報告しているのは奇妙なことです。

 この疑問を科学的な観点から解明しようとすることが専門家に期待されていることだと考えられます。

 

少なくとも「規制を撤廃すると1日あたり10万人の新規陽性者が出る」との予測は外れた

 なお、イギリスでは『新型コロナ対策による規制』を完全撤廃する際に「規制を撤廃すると1日あたり10万人の新規陽性者が出る」との脅しのような指摘もありました。

 しかし、直近での新規陽性者数は「1日あたり4万人台」と指摘された数値の半分にも満たない状況です。

 不安に寄り添うことは重要ですが、それが『安心利権』と化すと現役世代の納税者にとっては負担が増すだけになってしまいます。日本はイギリスと比較して新型コロナ罹患による被害が軽微なのですから、対策は過剰になりがちと認識する必要があるでしょう。

 

 イギリスのジョンソン首相が採っている『新型コロナ対策』は見習うべき部分が多いのではないでしょうか。