北欧が「若年層へのモデルナ製の新型コロナワクチン接種中止」と表明する状況で接種推進を続ける日本

 スウェーデン、デンマーク、フィンランドの北欧3ヶ国が「心筋炎などの副反応を起こすリスク」を懸念し、若年層へのモデルナ製・新型コロナワクチンの接種中止を発表したと時事通信が伝えています。

 世界で新型コロナによる感染被害が最も軽微である日本は「新型コロナワクチン接種に最も慎重になるべき」なのですが、現状は「副反応は問題ない」との姿勢を維持しています。これは問題視されるべきでしょう。

 

時事通信が報じた記事の内容

 時事通信が10月8日付で報じた記事の内容は以下のものです。

 フィンランドは7日、米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンについて、まれに心筋炎などの副反応を引き起こすリスクがあるとして、30歳以下の男性への接種を中止した。ロイター通信などが報じた。スウェーデンやデンマークも6日から若年層への接種を取りやめており、北欧諸国でモデルナワクチンを避ける動きが広がってきた。

 要するに、若年層にとっては『新型コロナワクチン接種で生じる心筋炎などの副反応』が『ワクチン接種で得られる恩恵』よりも大きいとの調査結果が出たのです。

 『ある疾病』から身を守るためのワクチンを接種したところ、『別の疾病』を引き起こしてしまっては本末転倒です。一部の医師が主張する「いずれの年齢層においても新型コロナワクチン接種による恩恵が上回る」は否定されたことは知っておくべきでしょう。

 

日本と北欧諸国の新型コロナ感染状況の比較

 日本では職域接種で用いられているモデルナ製の新型コロナワクチン接種を中止・見送りとした北欧諸国での新型コロナの感染状況は以下のとおりです。

 フィンランドは『世界水準』を下回る期間はあるものの、全体としては他の北欧諸国と同様に『世界水準』を上回る陽性者数が報告されています。

 それらの国で「若者へのモデルナ製・新型コロナワクチン接種は割に合わない」と判断されたのです。『北欧諸国よりも新型コロナによる感染被害が軽微である日本』もそのような指摘が専門家から出されなければならないはずです。

 それができていないことは大いに懸念されるべきと言わざるを得ないでしょう。

 

「心筋炎の発生頻度は稀でほとんどはそのまま回復するので接種に問題なし」とする “日本の専門家”

 ちなみに、専門家としてメディアに登場する濱田篤郎氏は「若者を中心に発生する心筋炎は稀なので無視して良い」と主張しています。

 接種者数が増えてから新たな副反応も明らかになってきました。それは心筋炎という心臓の炎症で、日本での頻度は100万回接種で1件とまれなものです。この副反応は20歳代前後の男性に多く、2回接種した数日後に胸痛などの症状で発症します。そのままにしておいても、ほとんどは回復しますが、心配な場合は医師の診察を受けるようにしてください。

新型コロナワクチン〜副反応の実態が明らかに〜

 新型コロナ罹患による心筋炎は「一生涯」と脅すのであれば、新型コロナワクチン接種で生じた心筋炎もリスクは同様と見なさなければなりません。それを「放置していても自然回復する」は矮小化です。

 また、新型コロナワクチン接種による心筋炎からの心不全が疑われる症例を「因果関係は不明」で切り捨てる姿勢は医療への不信感を招くだけです。

 「そのままにしておいても、ほとんどは回復する」というのは若者が新型コロナに罹患した時と同じなのです。ダブルスタンダードは速やかに是正されるべきでしょう。